イングランドの「交代策が裏目」と英紙指摘 英雄FWは“PK要員”に同情「とても残酷」

延長後半から途中出場するMFサンチョとFWラッシュフォード【写真:Getty Images】
延長後半から途中出場するMFサンチョとFWラッシュフォード【写真:Getty Images】

延長後半15分に投入されたラッシュフォードとサンチョが揃ってPK失敗

 欧州選手権(EURO)の初優勝を狙ったイングランド代表だったが、決勝でイタリアに1-1でもつれ込んだPK戦を2-3で落とし敗れた。ギャレス・サウスゲート監督は延長終了間際にFWマーカス・ラッシュフォードとMFジェイドン・サンチョをPK要員としてピッチに送り込んだが、2人揃って失敗。元イングランド代表FWアラン・シアラー氏は「試合に入れていないなかではさらに大きなプレッシャーがかかる」と、監督の采配について言及した。

 “ホーム”のウェンブリーにイタリアを迎えたイングランドは、開始早々の前半2分にDFルーク・ショーのゴールで先制に成功。幸先の良いスタートを切ったが、後半22分にセットプレーの流れからDFレオナルド・ボヌッチに決められて同点。1-1のまま90分では決着がつかず、延長戦へ突入した。

 その後、互いに得点が生まれずPK戦突入が濃厚となった延長後半15分に、サウスゲート監督はMFジョーダン・ヘンダーソンを下げてラッシュフォード、DFカイル・ウォーカーに代えてサンチョをそれぞれ投入。今大会出番の少なかった2人をPK戦要員としてピッチに送り出した。

 しかし、PK戦で3人目のキッカーを務めたラッシュフォードはシュートを左ポストに当てて失敗。4人目のサンチョはシュートをイタリア代表GKジャンルイジ・ドンナルンマに防がれた。そして5人目の重要な役割を託された19歳のFWブカヨ・サカのキックもドンナルンマにセーブされ、イングランドはPKスコア2-3で敗れた。

 英公共放送「BBC」で解説を務めていた元イングランド代表FWシアラー氏は、「残り1分でPKを任せるために2人の選手を投入するというのは、とても大きな要求を伴うものだ」とサウスゲート監督の選手起用についてコメントした。

「選手としてプレーしている時点で十分大きなプレッシャーを感じているものだが、フットボールの感覚が掴みきれず、試合に入れていない選手にはさらに大きなプレッシャーがあったはずだ。それはとても大きな要求だ。ラッシュフォード、サンチョ、サカには同情するよ。将来を担う若い選手たちにとっては、とても大きなことだっただろう。とても残酷な結果だ」

page1 page2 page3

今、あなたにオススメ

トレンド

ランキング