PK失敗の3選手、SNSで人種差別の標的に 英協会が非難声明「愕然」「許しがたい」

PK失敗の選手たちが人種差別の被害にあう事態に【写真:AP】
PK失敗の選手たちが人種差別の被害にあう事態に【写真:AP】

EURO決勝でPK失敗のラッシュフォード、サンチョ、サカに対する人種差別をFAが非難

 欧州選手権(EURO)で準優勝に終わったイングランド代表選手が、人種差別の標的となっている。こうした事態にイングランドサッカー協会(FA)は「愕然としている」「可能な限り厳しい処罰を求めていく」との声明を発表した。

 2018年のロシア・ワールドカップでのベスト4入りから躍進が続くイングランドは、EUROでは史上初となる決勝に進出。イタリアとのファイナルは1-1のまま延長120分間を終えても決着はつかず、PK戦にもつれ込む死闘となった。GKジョーダン・ピックフォードが2本のPKセーブを見せる活躍を見せた一方で、いずれも途中出場だったFWマーカス・ラッシュフォード、MFジェイドン・サンチョ、MFブカヨ・サカが3人連続で失敗に終わり、PKスコア2-3で敗戦。タイトルにあと一歩のところで手が届かなかった。

 そうしたなかで悲劇に追い打ちをかけているのが選手への人種差別だ。英紙「インディペンデント」によれば、インスタグラムなどのSNS上でPKを失敗した3人、ラッシュフォード、サンチョ、サカに対する人種差別発言が確認されているという。

 英公共放送「BBC」によれば、FAのスポークスマンは「FAはあらゆる差別を強く非難する。ソーシャルメディア上でイングランド代表選手に向けられた人種差別に愕然としている」との声明を発表。「このような許しがたい振る舞いの背後にいる人物がチームの一員として歓迎されないということを、これ以上ないほどに明確にしている。我々は被害を受けた選手たちを全力でサポートし、可能な限り厳しい処罰を求めていく」と人種差別を行った人物に処分を下す意向を明らかにしている。

 イングランドでは依然として選手に対する人種差別が横行しており、同国代表選手たちは試合のキックオフ直前に膝をついて「ブラック・ライブズ・マター(黒人に対する人種差別撤廃運動)」への賛同を示すジェスチャーを今大会も継続して行っていた。しかし、そうした選手たちへの思いも虚しく、心無い発言がまたも繰り返されてしまったようだ。

(FOOTBALL ZONE編集部)

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