22歳GKドンナルンマは新時代の“PK職人” キャリア「5戦全勝」と伊メディア注目
大会MVPに輝いたドンナルンマ、準決勝と決勝でPK戦勝利に導く
欧州選手権(EURO)決勝は現地時間11日に行われ、イタリアが1-1からもつれ込んだPK戦でイングランドを下して優勝を果たした。大会MVPは、準決勝から2試合連続でPK戦を制したGKジャンルイジ・ドンナルンマが受賞した。
イタリアは2018年ロシア・ワールドカップ(W杯)の欧州予選で敗退して本大会出場を逃す大失態を演じると、ロベルト・マンチーニ監督にスイッチして世代交代もさせながらチームを立て直した。その象徴の一つが、2015年に16歳でセリエAデビューしてしたドンナルンマでもあった。鉄壁のベテラン守護神ジャンルイジ・ブッフォンの後継者として、イタリアのゴールに定着した。
そして、予選を10戦全勝で突破したチームは本大会でも快進撃を見せ、準々決勝まで5連勝。しかし、準決勝のスペイン戦では大苦戦した。それでも1-1で延長戦を終えてPK戦に持ち込むと、ドンナルンマがスペインの4人目キッカーで登場したFWアルバロ・モラタのシュートをセーブして決勝に導いた。
この決勝戦でも前半に苦しんだイタリアは後半に追いつくと、延長戦では体力の限界を見せつつも勝負はPK戦にもつれ込んだ。するとドンナルンマは、イングランドの4人目で登場したMFジェイドン・サンチョと5人目のMFブカヨ・サカのキックを連続ストップして、イタリアに53年ぶりの欧州制覇をもたらした。
勝負どころとなったベスト4以降で決定的な存在となったドンナルンマは大会MVPを受賞。また、イタリアのサッカー専門メディア「カルチョメルカート・コム」では、ACミラン時代にPK戦で3戦全勝のドンナルンマは、この2連勝でキャリア5戦全勝の“PK職人”であることを紹介した。
風格漂うドンナルンマだが、まだ22歳とこれからのキャリアは長いものになるはず。イタリアは今後10年以上、正GKに不安を抱えることはなさそうだ。