イタリアが53年ぶり2回目のEURO制覇 イングランド、PK戦で3人失敗…初優勝の夢破れる
開始2分でイングランド先制、後半にイタリアが追いつく熱戦
欧州選手権(EURO)決勝、イングランドとイタリアの決戦が現地時間11日に行われ、PK戦にもつれ込んだ死闘の末にイタリアが優勝を果たした。
会場がロンドンのウェンブリーということもあり完全なホームの環境になったイングランドは、ギャレス・サウスゲート監督が3バックを採用。一方のイタリアはここまでの流れ通り4-3-3でスタートした。
そのシステムの違いを最初に生かしたのがイングランドだった。前半2分、相手コーナーキックを防いだところからの流れで左サイドに起点を作ると、大きく右サイドに展開。そして、再び逆サイドへのクロスをDFルーク・ショーがボレーで決めた。4バックの外側から外側に余る噛み合わせのメリットを生かす電光石火の先制点になった。
その後もイングランドペースの前半になったが、徐々にイタリアも前線に攻め込む形ができ始め、MFフェデリコ・キエーザが際どいシュートを放つ場面もあったが、堅いブロックをベースにしたイングランドが1-0でリードして前半を終えた。
後半もボールを持つイタリアとブロックで構えるイングランドという立ち上がりになったが、イタリアのロベルト・マンチーニ監督が戦況を変えた。10分過ぎに2枚替えを行うと、変則的な3バックにシフトして前線はFWロレンツォ・インシーニェがゼロトップ型の動きを見せるようになり、ブロックを突破する場面が増えて一気に押し込み始めた。
そして同22分、その流れで得たコーナーキックからこぼれ球をDFレオナルド・ボヌッチが蹴り込んで1-1の同点になった。サウスゲート監督はMFブカヨ・サカを投入して4バックに変更。その後も全体的にイタリアペースの試合になったが、1-1のまま後半終了の笛が吹かれて決着は延長戦にもつれ込んだ。
延長戦に入りイタリアはFWアンドレア・ベロッティを投入してハッキリとしたセンターフォワードを置いた。ボールをつなぎながら押し込んでいくイタリアに対し、イングランドはFWラヒーム・スターリングやFWハリー・ケインの個人能力を生かすカウンターという構図になった。延長後半に入ると足の止まったイタリアをイングランドが攻め立てたが、決勝ゴールは生まれず。EUROでは1976年ユーゴスラビア(当時)大会以来2回目となる、決勝のPK戦になった。
先攻のイタリアは2人目のベロッティがGKジョーダン・ピックフォードにセーブされて失敗。一方のイングランドは3人目のFWマーカス・ラッシュフォードがゴールポストに当て、4人目のMFジェイドン・サンチョがGKジャンルイジ・ドンナルンマにセーブされて失敗。延長終了直前にPK戦のキッカーとして投入した2人が相次いで失敗した。
イタリアの5人目は“PK職人”ことMFジョルジーニョが登場。しかし、タイミングをずらしてゴール左を狙ったキックをピックフォードが執念のセーブで可能性をつないだ。それでも、イングランドの5人目のサカがゴール右を狙ったキックはドンナルンマがセーブ。イタリアがPK戦を3-2で制し、1968年大会以来2回目の優勝を達成した。
(FOOTBALL ZONE編集部)