EURO分散開催は「二度とやらない」 UEFA会長明言、出場国の移動距離に“不公平な差”
欧州大陸を目まぐるしく移動する大会形式にチェフェリン会長言及「実行は難しい」
欧州サッカー連盟(UEFA)のアレクサンデル・チェフェリン会長が欧州選手権(EURO)の分散開催について、国によって移動距離に大きな差が生じることを理由に挙げて「もう二度とやらない」と明言した。英公共放送「BBC」が報じている。
EURO2020(新型コロナウイルス感染拡大を受けて1年遅れでの開催)はUEFA創設60周年を記念し、11都市での開催となった。国によっては6万人超えの観客を迎えて試合が行われており、コロナ以前の活気がスタジアムに戻っている。
しかし、分散開催は国によって移動距離に大きな差を生じさせていた。ベスト8に進出したスイスは初戦をアゼルバイジャンのバクーで戦い、第2戦はイタリアのローマ、第3戦で再びバクーに戻り、決勝トーナメント1回戦はルーマニアのブカレスト、そして準々決勝はロシアのサンクトペテルブルクと大陸を目まぐるしく移動。移動距離の合計は出場国中最多の1万5485kmだった。
一方、グループステージ敗退に終わったスコットランドの移動距離はスイスの10分の1にも満たないわずか1108kmだった。
UEFAのチェフェリン会長はこうした移動距離の格差がサポーターにとっても不公平だとし、今後は同じ形式で行うことはないと語った。
「ある日はローマ、その次の日にはバクーにいなければならないというのはファンにとってもアンフェアだ。司法権や通過も異なり、EU加盟国と非加盟国とを行き来しなければ行けないというのは簡単ではない。
このフォーマットは私が会長に就任する前から決まっていたいことなので尊重します。興味深いアイデアだと思いますが、実行するのは難しい。もう二度とやらないと思います」
今大会はイングランドのロンドンをはじめ、スコットランドのグラスゴー、オランダのアムステルダム、デンマークのコペンハーゲン、ロシアのサンクトペテルブルク、スペインのセビージャ、ドイツのミュンヘン、アゼルバイジャンのバクー、イタリアのローマ、ルーマニアのブカレスト、ハンガリーのブダペストで試合が開催された。なお、イタリアとイングランドによる決勝戦はロンドンのウェンブリー・スタジアムで開催される。
(FOOTBALL ZONE編集部)