「レッズ花壇」への“情熱” 庭園管理士になった元Jリーガー、16年の時を経てつながった縁

プロ入り当時に浦和スカウトだった落合弘さんと記念撮影【写真:本人提供】
プロ入り当時に浦和スカウトだった落合弘さんと記念撮影【写真:本人提供】

「想像を超えるもの」が完成、元スカウトの落合氏「凄いものを造った」

 2000平方メートル超の敷地に約1万5000株の赤、黒、白、黄色のビオラが、巨大なクラブエンブレムとハートの12を見事に演出。美しい「レッズ花壇」がお披露目された。昨年は約2万株を敷き詰めてより豪華に仕上げたが、新型コロナウイルスの影響で見頃の3~5月を休園。今年は開園40周年を記念したデザインが施され、「レッズ花壇」第3弾は来年以降に持ち越された。

【注目】白熱するJリーグ、一部の試合を無料ライブ配信! 簡単登録ですぐ視聴できる「DAZN Freemium」はここから

「1年目はちゃんと色が出るのか不安でしたが、想像を超えるものが完成して自分でも感動しました。サポーターの方から『見に来たよ』とか『トウカイリン』って声をかけていただき、皆さんが花壇を満喫してくれたことが本当に嬉しかった。花に携わったことで自分の生きがい、やりがいを見つけられました」

 東海林を誘った当時スカウトの落合弘さんは、03年から浦和のハートフルクラブキャプテンとして、子どもたちの心を育む活動を続ける。

 筆者が東海林を訪ねたことを伝えると「脚の具合はどうだった?」と、いかにも落合さんらしい第一声が返ってきた。4月17日に東武動物公園でハートフルサッカー教室を開催した折、2月に右アキレス腱を断裂した痛々しい姿を見ていたからだ。そうして「凄いものを造った、大したものですよ」と続けた。1年しか在籍できず、いくばくかの責任を感じていたはずの落合さんだが、生き生きと花と向き合う東海林を見て、誰よりも喜んでいるのではないだろうか。(文中敬称略)

河野 正

1960年生まれ、埼玉県出身。埼玉新聞運動部で日本リーグの三菱時代から浦和レッズを担当。2007年にフリーランスとなり、主に埼玉県内のサッカーを中心に取材。主な著書に『浦和レッズ赤き激闘の記憶』(河出書房新社)『山田暢久火の玉ボーイ』(ベースボール・マガジン社)『浦和レッズ不滅の名語録』(朝日新聞出版)などがある。

今、あなたにオススメ

トレンド

ランキング