“悲運”を乗り越えW杯出場へ 若きフットサル日本代表候補、“U-20合宿”で示した格の違い

U-20フットサル日本代表のキャプテンであるFP毛利元亮【写真:勝又寛晃】
U-20フットサル日本代表のキャプテンであるFP毛利元亮【写真:勝又寛晃】

浜松とのトレーニングマッチで先制ゴールを挙げる活躍を見せる

 フットサル日本代表は、今年9月12日にリトアニアで開催されるフットサル・ワールドカップ(W杯)に出場する。フットサル日本代表がフットサルW杯に出場するのは、2012年にFW三浦知良(横浜FC)も出場したタイ大会以来、実に9年ぶりのことだ。

 現在、W杯の登録メンバー発表を控えているなか、候補選手たちはそれぞれの所属クラブでFリーグを戦い、アピールを続けている。6月28日から30日には、最終登録メンバー発表前、最後となる代表候補合宿が行われた。そこにはU-20フットサル日本代表のキャプテンであるFP毛利元亮も最年少で招集されている。

 2020-21シーズンのFリーグ新人王にも輝いた毛利だが、ここまでのキャリアを振り返ると「悲運のエース」と形容したくなる。2019年、彼は一つ上の世代のU-20フットサル日本代表にも選出されていた。しかし、中心選手の1人として臨むはずだったU-20AFCフットサル選手権イラン2019では、大会直前のチーム練習中に負傷。国内での最終合宿に参加し、成田空港までチームと帯同して決戦の地に飛び立つチームメートたちを見送った。その後、毛利抜きで戦ったU-20日本代表は、初のアジア制覇を成し遂げた。

 そして、今年開催されるはずだったAFC U-20フットサル選手権は、新型コロナウイルスの影響により、大会が中止となってしまった。前の世代の代表チームにも、飛び級で招集されていた毛利だが、結局、AFC U-20フットサル選手権の舞台には一度も立つことができなかったのだ。

浜松とのトレーニングマッチで先制ゴール【写真:勝又寛晃】
浜松とのトレーニングマッチで先制ゴール【写真:勝又寛晃】

 ここまでAFCの国際大会と縁のない毛利だが、若手中心路線に舵を切った所属クラブのペスカドーラ町田では、中心選手として活躍を続けており、2020-21シーズンは21試合に出場して13得点を記録。3位となったチームを最前線から牽引した。今シーズンも5試合で3得点を挙げており、得点を奪える力を証明している。トップリーグでの活躍が評価された毛利は、3月に初めて日本代表候補合宿に招集されると、その後もU-20日本代表の活動、フル代表の活動、町田の活動と3つのチームで技術を磨いた。

 U-20フットサル日本代表ではキャプテンマークを巻く大黒柱だが、同チーム最後の活動となった6月23日のアグレミーナ浜松との練習試合では、先制点を記録。また、昨シーズンから課題だった守備の局面で手を使ってしまい、ファウルを取られるような場面もなくなり、逆に高い位置で強く的確に相手のボールを突き、ショートカウンターに持ち込む場面も多々見られた。第3ピリオドでFP大澤雅士が決めたゴールも、毛利のボール奪取からシュートしたボールを相手GKが弾いたことで生まれている。

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