イングランド、EURO史上初の決勝進出 ケインが決勝弾…デンマークとの120分死闘制す

決勝PKを決めたFWケイン【写真:AP】
決勝PKを決めたFWケイン【写真:AP】

デンマークに延長戦の末2-1勝利、エースFWケインが決勝ゴール

 欧州選手権(EURO)準決勝のイングランド対デンマークが現地時間7日に行われ、延長戦の末にイングランドが2-1で勝利。初の決勝進出を果たした。

 会場がロンドン郊外の聖地ウェンブリーということもあり、スタジアムの雰囲気は完全にイングランドのホームゲームになった。FWハリー・ケイン、MFラヒーム・スターリングといった前線のスター選手を軸に攻撃を仕掛けるイングランドに対し、デンマークは5バックで構えたところからサイドチェンジやカウンターを軸に試合を運んだ。

 そうした中で迎えた前半30分、デンマークは立て続けのセットプレーのチャンスを得るとゴール正面からやや左サイドのフリーキックを、MFミッケル・ダムスゴーが直接狙った。縦回転の“ドライブシュート”は壁を越えると急速に落下してゴールに吸い込まれた。意外にも今大会で初の直接フリーキック弾で、デンマークが先制に成功した。

 一方のイングランドも前半38分に、右サイドからのラストパスをゴール前でスターリングがシュートする決定機を迎えたが、GKカスパー・シュマイケルの好セーブにあった。しかし1分後、同じような右サイドからのラストパスにスターリングがフリーで合わせようとした寸前でカットに入ったDFシモン・ケアーがオウンゴール。デンマークの主将にとっては、ボールが抜ければ間違いなく失点という状況にやむを得ないギリギリのプレーだった。

 このまま1-1で前半を終えた試合は後半に入ると膠着。それぞれが良さを出す部分はあったものの、具体的なゴール前のチャンスに発展する機会はなかなか生まれなかった。時間の経過とともに、完全に攻めるイングランド、守るデンマークという構図になったゲームは、決着がつかないまま延長戦へと突入した。

 延長戦に入っても試合展開は、イングランドが決めるかデンマークが守り切るかという状況から変化しなかった。すると延長前半12分、右サイド深いところからペナルティーエリア内にドリブルで侵入したスターリングが倒されてPKの笛が吹かれた。これをケインがゴール右に狙ったが、シュマイケルが好セーブ。しかし、そのこぼれ球をケインが自ら蹴り込んで、同14分の勝ち越しゴールになった。

 延長後半に入ってもデンマークは総攻撃を見せるほどの余力はなく、イングランドの守るゴールには迫り切れず。このまま1点差で勝利したイングランドは、EUROで史上初の決勝進出を果たした。一方のデンマークは、「ダニッシュ・ダイナマイト」と名を馳せた1992年大会以来の決勝には手が届かなかった。

 イングランドは前日にもう1つの準決勝を突破していたイタリアと現地時間11日に決勝で顔を合わせることが決まった。

(FOOTBALL ZONE編集部)

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