“PK職人”ジョルジーニョ、イタリア勝利の瞬間を回想 「すべてを忘れて集中した」
スペイン戦のPK戦で5人目のキッカーとして成功「やるべき呼吸をしてコントロールした」
イタリア代表MFジョルジーニョは現地時間6日に行われた欧州選手権(EURO)準決勝スペイン戦で、決めれば勝利というPK戦5人目のキッカーとして登場。冷静に蹴り込んだキックに「すべてを忘れて練習でやってきたことに集中した」と話した。イタリアのサッカー専門メディア「カルチョメルカート・コム」が報じている。
両者は90分間を1-1の同点で終え、延長戦でも決着がつかずにPK戦になった。この120分のなかでイタリアの3人のMFの中央に入ったジョルジーニョは、神出鬼没な動きをする相手FWダニ・オルモや、スペインの中盤の揺さぶりに走らされる試合展開になったが、最後まで耐えるチームの中央で存在感を放った。
そして、PK戦の1本目でイタリアはMFマヌエル・ロカテッリがGKウナイ・シモンにセーブされたものの、スペインはオルモが枠を外した。その後は両者ともに成功が続いたが、スペインは4人目のFWアルバロ・モラタがGKジャンルイジ・ドンナルンマにセーブされた。そしてイタリアは5人目のジョルジーニョが冷静に決めて、PK戦を4-2で制した。
イングランド・プレミアリーグのチェルシーでのジョルジーニョは、今季PKだけでリーグ戦7ゴールを決めてチーム内得点王という完全なPK職人。この日も、決めれば勝利というプレッシャーのかかる場面で、独特のステップを踏んでシモンのタイミングを外し、アッサリと流しこんだ。
「最高だね。強い相手との試合で耐えることになると思っていた。走らされたよ。勝利に値したと思う。あの時、すべてを忘れて練習でやってきたことに集中した。自分がやるべき呼吸をしてコントロールしたよ」
そのうえで、予選を10戦全勝で突破し、準々決勝までも5戦全勝。ジョルジーニョは、この準決勝で苦しんだ末にスペインを退けたチームに対する自信を語った。
「このグループは諦めないし、イタリアは諦めない。素晴らしいグループで、最高の価値を持っている。一緒に苦しんで、一緒にプレーして、一緒に冗談を言い合って、時に主張をし合うけど、僕らは家族だ。ベンチになった選手も、他の選手を助ける。最高だよね」
イタリアはこれで1968年の自国開催で優勝して以来、2回目のEURO優勝に王手をかけた。このスペイン戦以外ではパスワークの中心になっているジョルジーニョは、決勝戦ではどのようなプレーを見せてくれるだろうか。