惜敗のスペイン代表監督、イタリアの戦いぶりに皮肉 「彼らはPK戦を待ち望んでいた」

スペイン代表のルイス・エンリケ監督が試合を振り返った【写真:Getty Images】
スペイン代表のルイス・エンリケ監督が試合を振り返った【写真:Getty Images】

PK戦で敗れたルイス・エンリケ監督「どのチームよりも努力したが…」

 スペイン代表は現地時間6日の欧州選手権(EURO)準決勝、イタリア戦に1-1からもつれこんだPK戦に2-4で敗退。ルイス・エンリケ監督は試合後の記者会見で、「彼ら(イタリア)はPK戦を待ち望んでいた」と語ったと、スペイン紙「AS」が報じている。

 スペインは前半からFWダニ・オルモの神出鬼没なポジショニングからボールを前進させて攻撃を何度も仕掛けたが、決定機はあまり多くなかった。逆にイタリアがブロックを下げて守り始めた後半には速攻から先制を許してしまう。しかし、後半35分には途中出場のFWアルバロ・モラタが同点ゴール。延長戦まで含めてボール支配率は圧倒的にスペインという試合だったが、最後にはPK戦で敗れた。

 エンリケ監督は試合後の記者会見で、敗戦の悔しさを抑えきれない言葉を残している。

「私たちは素晴らしいEUROを戦った。相手を上回って、上回って、細かいところでPK戦の前に勝利へ届かなかった。9年間の砂漠の旅を経てスペインは帰ってきた。どのチームよりも努力したチームがここにあり、彼ら(イタリア)はPK戦を待ち望んでいた。詳しい分析をしていきたい」

 スペインは2012年のEURO決勝でイタリアに4-0で勝利して2大会連続の優勝を果たしてから、主要な国際大会の頂点に届かない時期が続いてきた。それをエンリケ監督は「砂漠の旅」と表現し、ブロックを作っての守備からカウンターに活路を見出したイタリアの戦いを「PK狙い」と批判した。

 一方で、来年の冬に開催予定のカタール・ワールドカップ(W杯)について「私たちにはベテランもいれば、さらに成熟する若手もいる。スペインにはこのチームを誇りに思ってくれる人々がたくさんいる」として、エンリケ監督はスペインが再び世界の頂点に立つことへの自信を見せた。

 オルモにゼロトップ型の動きをさせる起用でイタリアのプレスをかわした前半、途中投入のモラタが同点ゴールを奪った後半と采配は決まったが、このカードの伝統とも言える攻めるスペインと守るイタリアの構図から決勝ゴールを奪いきれなかった試合は、エンリケ監督にとって憤懣やるかたないものになったようだ。

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