33戦無敗のイタリア、2大会ぶりEURO決勝進出 スペインと死闘、PK戦を4-2で制す

先制点を決めたイタリア代表FWキエーザ【写真:AP】
先制点を決めたイタリア代表FWキエーザ【写真:AP】

キエーザが先制弾、PK戦では守護神ドンナルンマが好セーブ

 欧州選手権(EURO)準決勝、イタリアとスペインの決戦が現地時間6日に行われ、1-1でもつれ込んだPK戦をイタリアが4-2で制し、2大会ぶりの決勝進出を決めた。

 イタリアは予選を10戦全勝で突破し、準々決勝までも5連勝。一方のスペインはグループリーグの立ち上がりが2戦連続引き分けのスロースタートになり、決勝トーナメントに入っても2試合連続の延長戦。準々決勝のスイス戦はPK戦の末の突破と苦しんできた。

 それでも、前半はスペインの良さが出る展開になった。最前線に入ったFWダニ・オルモがゼロトップ型の動きを見せ、イタリアの中盤にできるスペースでボールを次々に受けてプレスを無効化した。そして同25分にはゴール前でオルモが右足を振る決定機を迎えたが、イタリアGKジャンルイジ・ドンナルンマのファインセーブに阻まれた。それでも、スペインがゲームもボールも支配したまま前半を終えた。

 しかし後半、イタリアを率いるロベルト・マンチーニ監督は相手ボール時には全体的にラインを下げてスペースを消し、伝統的な武器であるカウンターに比重を置いた。するとそれがハマったのが後半15分、クロスをドンナルンマがキャッチしたところから左サイドに素早く展開すると、一度はスペインの最終ラインが攻撃を阻んだものの、こぼれ球を拾ったFWフェデリコ・キエーザがコントロールショットを決めて1-0と先制に成功した。

 リードを許したスペインのルイス・エンリケ監督は、FWアルバロ・モラタを前線に投入して厚みを持たせた。しかし、ユベントスの同僚でもあるDFレオナルド・ボヌッチとDFジョルジョ・キエッリーニの老獪なプレーに、なかなか最後のところまで持ち込ませてもらえない時間が続いた。さらにFWジェラール・モレノも投入したスペインに対し、イタリアも実直なハードワークができるタイプのMFマッテオ・ペッシーナを投入し、相手ボール時の強度を高めた。

 そうしたなかで同35分、中盤にスペースを見つけて下がって受けたモラタがドリブルで運び、オルモとワンツー。2人の関係で突破するとドンナルンマと対峙して冷静に蹴り込み1-1の同点に追いついた。攻めるスペインとカウンターをちらつかせながら守るイタリアという、このカードでは伝統的な展開になった試合は90分では決着せず、延長戦にもつれ込んだ。

 延長戦に入っても基本的な試合の構図は変わらずに進んだ。イタリアは先制点のキエーザ、スペインはDFエリック・ガルシアが足をつって延長後半の開始直後で交代になるなど、厳しい消耗戦になった。両者とも試合を決めることができず、決勝への切符はPK戦に持ち越された。

 先攻のイタリアは1人目のMFマヌエル・ロカテッリがいきなりGKウナイ・シモンにセーブされ失敗。一方のスペインは1人目のオルモが枠外にシュートを飛ばした。その後は成功が続いたが、スペインは4人目のモラタがセーブされた。イタリアは5人目のMFジョルジーニョが冷静に決め、PK4-2で勝利した。これで国際Aマッチでの連続無敗記録を「33」に伸ばし、2012年以来2大会ぶりの決勝進出を決めた。

 激闘の末に勝ち上がりを決めたイタリアは、7日の準決勝もう1試合でイングランドとデンマークが激突する勝者と11日に決勝戦を戦う。

(FOOTBALL ZONE編集部)

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