サッカーと選手・監督への「批判」 EUROで興味深かった痛烈な指摘と“返し方”
議論は成長に必要不可欠、批判の仕方や返し方を身につけるのは大切なこと
批判的な指摘をするのは、チームがもっと良くなってほしいからでもある。マテウスにしても批判はよくするけど、チームが良いプレーをしたら必ずすぐに褒めるし、自分の指摘が間違っていたことを認める。そのあたり、彼らはとても正直な人間だし、だからファンからも共感を持たれるのだろう。ちなみにマテウスは大苦戦したハンガリー戦(2-2)後にも、また厳しい批判を代表チームに向けて放っている。
議論は成長に必要不可欠――。批判の仕方、批判への返し方を身につけるというのは大切なことだ。それに批判がなくなったら、それこそ終わりだ。
(中野吉之伴 / Kichinosuke Nakano)
中野吉之伴
なかの・きちのすけ/1977年生まれ。ドイツ・フライブルク在住のサッカー育成指導者。グラスルーツの育成エキスパートになるべく渡独し、ドイツサッカー協会公認A級ライセンス(UEFA-Aレベル)所得。SCフライブルクU-15で研修を積み、地域に密着したドイツのさまざまなサッカークラブで20年以上の育成・指導者キャリアを持つ。育成・指導者関連の記事を多数執筆するほか、ブンデスリーガをはじめ周辺諸国への現地取材を精力的に行っている。著書『ドイツの子どもは審判なしでサッカーをする』(ナツメ社)、『世界王者ドイツ年代別トレーニングの教科書』(カンゼン)。