ジャガーの本能が感じた違和感 浅野がリオ五輪のライバルも備える“南米の空気”を警戒

乗り越えなければならない壁

  “ジャガー”の異名を持つストライカーの野生の勘は試合中に違和感を感じていた。ボールを支配していたはずが、ボールを持たされている。そんな、嫌な感覚があった。そして、そこから決勝点を奪われ、結果は敗戦。浅野は、すっかり相手ペースにはめられていたという。

「試合の運び方が、うまいと思った。ボールを握っていたのは自分たちだったけど、相手は“主導権を握っているのは自分たちだ”と思っていたはず」

 南米勢は独特なスローな試合展開に持ち込む特有の空気を備える。コロンビアなど南米勢が待つ五輪の本大会を勝ち上がるためにも乗り越えなければいけない大きな課題となる。

「自分たちはシュートを打ち切れない部分が多かった。崩す場所は多くあっただけに、チームとしてコンビプレーをもっと意識しないといけない。試合の入りは悪くなかったけど、失点して追いかける立場になった。その中で自分は、もっと余裕を持ってプレーしてもよかった、と反省したい。もっとボールを引き出せていれば、リズム良く攻められたはず。いいタイミングを探りたかった」

 1ゴールにも満足感はない。まったりとしたブラジルの空気を切り裂く。ジャガーは、本大会に向けてしっかりとその爪を磨くつもりだ。

【了】

サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

page1 page2

今、あなたにオススメ

トレンド

ランキング