「EURO2020」オウンゴール数、過去15大会の合計数を凌駕…“異常事態”に海外注目
準々決勝2試合消化時点でオウンゴール数が10得点に到達、多発する要因に英注目
現在開催中の欧州選手権(EURO)で“オウンゴール”が多発している。その数は準々決勝2試合が終わった現地時間2日時点で二桁の10得点に到達し、過去15大会で生まれた合計数(9)を超える異常事態だ。
今大会はオウンゴールが得点ランキングのトップを独走中だ。開幕戦のトルコ対イタリアでトルコ代表DFメリフ・デミラルのオウンゴールが大会第1号ゴールとなったのを皮切りに、現地時間2日の準々決勝スイス対スペイン戦のスイス代表MFデニス・ザカリアのオウンゴールまでで計10得点。これは“得点ランク1位”のポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウド(5得点)にダブルスコアの差をつけている。
データ会社「オプタ」によると、第1回の1960年大会から前回の2016年大会までの計15大会で生まれたオウンゴールは9得点。過去15大会分の合計をわずか1大会で上回った。SNS上では元フランス代表FWミシェル・プラティニ氏のEURO通算得点(9得点)をオウンゴールが上回ったとネタにされているほどだ。
また、その数だけでなく、スロバキア代表GKマルティン・ドゥブラフカの“ダンクシュート”や、スペイン代表MFペドリのバックパスをスペイン代表GKウナイ・シモンがトラップミスした45メートルの長距離弾など珍しい形で決まったオウンゴールも話題となった。
さらに英サッカー専門誌「Four Four Two」は「EURO2020ではなぜこんなにも多くのオウンゴールが生まれるのか」との見出しで特集記事を公開。「一体何が起きているんだ?」とオウンゴールが増えた理由について考察している。記事では以前に比べてペナルティーエリア内でのシュートが増えていることや、新型コロナウイルスの流行下で“史上最も過酷なシーズン”の後に行われている大会で、肉体的にも精神的にも疲労している選手たちが通常よりも多くのミスをしていることなどを要因として挙げている。
UEFA60周年記念大会として史上初めて欧州11都市での分散開催となった今回のEUROだが、思わぬ形で歴史に残る大会となったようだ。