EUROで「ヒーローになった」 スペイン守護神、悪夢からの“挽回劇”に母国称賛
GKシモン、準々決勝スイス戦のPK戦で躍動…相手のシュート2本阻止で勝利に貢献
スペイン代表GKウナイ・シモンは現地時間2日の欧州選手権(EURO)の準々決勝スイス戦(延長1-1、PK3-1)のPK戦で2本のシュートブロックを披露する活躍でチームに貢献。ベスト16のクロアチア戦(延長5-3)では痛恨のミスで失点に絡むなど悪夢を見た守護神が一転してチームを救う“ヒーロー”になったとスペインメディアが称賛している。
スペインは優勝候補筆頭と目されていたフランスを撃破したスイスと激突。前半8分、DFジョルディ・アルバのシュートがMFデニス・ザカリアに当たってコースが変わり、そのままゴールに吸い込まれるラッキーな形で先制に成功する。
しかし、後半23分にMFジェルダン・シャキリに同点ゴールを許すと、その後はスイスに退場者が出るも守護神GKヤン・ゾマーが立ちはだかる守備を崩せず。試合はPK戦での決着となった。
ここで輝いたのが東京五輪メンバーにも選出されているシモンだ。スペインは1人目のMFセルヒオ・ブスケッツが失敗したが、シモンが2本のシュートをセーブし、PKスコア3-1で勝利。フランス戦に続いて2試合連続PK戦となった粘りのスイスから白星を掴み取った。
スペイン紙「マルカ」は「ウナイ・シモンはスペイン代表で歴史を作った」と見出しを打って24歳のGKのパフォーマンスを称賛。ダビド・デ・ヘアらベテランを差し置いてスタメンを張るシモンは、決勝トーナメント1回戦のクロアチア戦でMFペドリからのバックパスを後逸する痛恨のミスから失点を招く悪夢を見ていたが、同紙はチームを救った救世主としてシモンを称えている。
「セルヒオ・ブスケッツが最初のPKを外したときは多くのファンがさらなる失望を味わうことになると考えた。しかし、ウナイ・シモンがいくつも重要なセーブをし、ラ・ロハ(スペイン代表の愛称)のヒーローになった」
勝利の立役者となったシモンはUEFA公式サイトを通じ、「僕らはフレッシュな状態で準決勝に臨む必要がある。自信を持って、頭を上げなければいけない。今こそEUROで勝たなければいけないんだ」と優勝への意気込みを語った。
勝利したスペインは優勝した2012年大会以来2大会ぶりに準決勝へ駒を進めた。そしてその準決勝では12大会の決勝の再現となるイタリアと激突する。