「ロナウジーニョ流」 元JリーガーFWフッキ、“エラシコ”突破に現地注目「美しい」
アトレチコ・ゴイアニエンセ戦で2アシスト、美技で相手翻弄のシーンにブラジルメディアが熱視線
かつてJリーグで猛威を振るい、その後ブラジル代表にまで駆け上がったFWフッキは、今年1月から母国のアトレチコ・ミネイロでプレーしている。攻撃の中心として活躍するなか、現地時間1日に行われたブラジル1部リーグ第8節アトレチコ・ゴイアニエンセ戦(4-1)で美技を見せ、現地メディアで「ロナウジーニョ流」と話題を呼んでいる。
フッキは2005年に18歳で来日。当時の川崎フロンターレでは外国籍選手枠の関係で出場機会を思うように得られなかったが、翌年に当時J2のコンサドーレ札幌に期限付き移籍すると点取り屋として覚醒。38試合25得点をマークすると、翌07年には同じJ2の東京ヴェルディに期限付き移籍し、42試合37ゴールでJ2得点王に輝いた。
そして08年夏にポルトガルの強豪ポルトへ完全移籍すると、世界的ストライカーとしての名声を獲得。ロシアのゼニトでもゴールを量産し、ブラジル代表としても活躍した。16年からは中国1部の上海上港(現・上海海港)でプレーしていたが、昨年12月に契約満了で退団し、今年1月にアトレチコ・ミネイロへ加入している。
4月に行われたクルゼイロ戦で乱闘騒ぎを起こしたフッキだが、これまで数々のゴラッソを生み出してきた左足は健在。今季もここまで公式戦26試合9得点をマークしている。アトレチコ・ゴイアニエンセ戦では2アシストとチャンスメークで存在感を放ったが、そのシーン以外でも観る者を魅了する美技を見せた。
敵陣左サイドでタッチラインを背にしてボールを受けたフッキ。左足裏で止め半身の体勢でマーカーと対峙すると、次の瞬間、左足アウトサイドでボールを外に転がしながら、素早くインステップに乗せるようにして前に持ち出す“エラシコ”を披露。パワー系FWのフッキらしく、この技の使い手だった“天才”ロナウジーニョに比べるとやや動きに滑らかさを欠くものの、見事に相手の逆を取り左足アウトサイドで縦にパスをつないだ。
スポーツ専門局「ESPN」の情報番組「スポーツセンター」公式ツイッターは、「ロナウジーニョ流のフッキ」と綴ると「クレイジー」との一言で美技を称賛。ブラジルメディア「Torcedores」も「フッキはアトレチコMG勝利のなかで対戦相手に美しいエラシコを披露」と伝えれば、衛星放送「FOXスポーツ」ブラジル版公式ツイッターも「フッキはエラシコでマーカーから美しく逃げる」と記し、34歳となった“超人”が見せた美技に注目していた。