元Jリーガー監督が“マニア目線”で選出 巨漢FWに超新星…EUROで注目した4人とは?
「ストライカーの嗅覚が優れている」オランダの巨漢FWとクロアチアの超新星
■ボウト・ベフホルスト(オランダ代表/FW/ヴォルフスブルク所属)
【20-21シーズン成績:ブンデスリーガ・34試合出場20得点9アシスト】
オランダリーグで活躍し、2018年にヴォルフスブルクへ移籍。25歳で代表デビューと遅咲きだが、ブンデスリーガでは3シーズン連続16得点以上をマーク中。197センチの長身を生かしたプレーが魅力の点取り屋。
林監督「オランダのベフホルストも注目です。マリノフスキーと同様にまだあまり知られていない選手かもしれないですが、所属のヴォルフスブルクではかなり点を取っています。197センチ・84キロとサイズがあって、FWルーク・デ・ヨング(セビージャ)らを差し置いてオランダ代表のスタメンを張っていますし、今大会初戦のウクライナ戦では得点も決めました。
もう28歳で中堅ですけど、サイズがある割には足下も上手い。そして一番の魅力は、ゴール前での得点を取れるポジションを知っているところ。ストライカーとしての感覚が非常に優れていると思います。ペナルティーエリアの外ではシンプルに味方につけるプレーをしますけど、エリア内に入った時には体を上手く使って反転してゴールを狙います。もちろん、オランダにはFWメンフィス・デパイ(リヨン→バルセロナ)のような選手もいますが、勝ち上がっていくほどベフホルストの重要性が高まっていくと思います」
■ヨシュコ・グバルディオル(クロアチア代表/DF/ディナモ・ザグレブ→RBライプツィヒ)
【20-21シーズン成績:クロアチア1部・25試合2得点3アシスト】
クロアチア名門ディナモ・ザグレブで育った期待の新星。昨夏にドイツ1部RBライプツィヒに引き抜かれ、今季は1年間ローンでディナモ・ザグレブに残留していた。ドイツでのさらなる成長に期待が懸かる。
林監督「若手注目枠で『この選手、能力高いな』と感じたのがクロアチアのグバルディオルですね。サイドバックなのに185センチとサイズがありますし、アスリート能力が高くてスピードもある。今大会で初めて見た選手だったんですけど、特に目に留まった1人です。
2002年1月生まれで、まだ19歳。クロアチアにはMFルカ・モドリッチ(レアル・マドリード)やMFマルセロ・ブロゾビッチ(インテル)など良い選手が揃っていますけど、そんななかでもこのグバルディオルに目がいってしまいました。『これからが楽しみだな』と思っていたら、来季からドイツ1部のRBライプツィヒでプレーすると知って納得です。将来が楽しみで、今後トップレベルによく見る選手になると思います」
[プロフィール]
林陵平(はやし・りょうへい)
1986年9月8日生まれ。34歳。明治大で関東1部リーグ優勝を経験。同大卒業後にジュニアユース、ユースでプレーした東京ヴェルディに加入し、プロデビューを果たした。その後、柏レイソル、モンテディオ山形、水戸ホーリーホック、FC町田ゼルビア、ザスパクサツ群馬と計6クラブを渡り歩き、2020年シーズン限りで現役を引退。Jリーグ通算300試合出場67得点。21年から東京大学運動会ア式蹴球部の監督に就任した。
(石川 遼 / Ryo Ishikawa)