フランスがスイスにPK戦で敗れてEURO16強敗退、3バック採用の意図を報道陣が追及

　フランス代表は現地時間28日、欧州選手権（EURO）決勝トーナメント1回戦でスイスと3-3の死闘を演じ、最終的にPK戦を4-5で落として敗れた。ベスト16での早期敗退となったが、フランスを率いたディディエ・デシャン監督は記者会見で厳しい追及を受け、3バック採用が失敗だったことを認めている。フランス紙「レキップ」が報じた。

　フランスは左サイドバックのDFリュカ・エルナンデスとDFリュカ・ディニュが負傷でスイス戦に間に合わなかった。ディディエ・デシャン監督は3バックを採用し、MFアドリアン・ラビオを左ウイングバックに据える決断をしたが、これが全くハマらず。前半途中からDFプレスネル・キンペンベを左サイドバックに出した4バックに変更すると、後半開始からはセンターバックを1枚削ってMFキングスレー・コマンを投入し、ラビオを左サイドバックに下げ4バックに固定することになった。

　この決断に対し、報道陣からは3バック採用の意図が追及された。デシャン監督は、「不測の事態（負傷者）があった。今までに3回試したことがある」としつつも、失敗を認める言葉を並べた。

「攻撃のトリオを可能な限り最良な位置に置きたかった。そのバランスは良かったが、スイスが私たちを困難に陥れて機能しなかった。私たちの右サイドで彼らは変化をつけてきたが、対応が遅れた。守備的な理由での採用ではなかったが、そのおかげでスイスは背後のスペースを見つけて攻撃することになった。それによって私たちは間延びして、コンパクトな状態を保てなくなった。仕方なくシステムを変えることを決断した」

　攻撃力が魅力の一つであるDFベンジャマン・パヴァールは、自分の前にボールの落ち着くポイントがないことで全く機能しなかった。そしてラビオは、サイドの明確な1対1の守備では強さがあったものの、クロスへの対応やカバーリング、リスクを回避するポジション取りにはあまりにも慣れがなかった。結果的に3-1でリードした状況からのラスト10分で喫した2失点では、いずれもラビオが絡んでしまった。