フランスがスイスに敗れ16強敗退、デシャン監督はPK失敗のムバッペをかばう

　フランス代表のディディエ・デシャン監督は、現地時間28日の欧州選手権（EURO）決勝トーナメント1回戦のスイス戦で、3-3でもつれ込んだPK戦を4-5で落とした試合後、今大会ノーゴールで最後のキッカーとしてPKを失敗した22歳のFWキリアン・ムバッペをかばった。英高級紙「ガーディアン」が、試合後のコメントを報じている。

　フランスは左サイドバックに2人の負傷者を出した関係もあり、3バックでスタート。しかし、これが全くハマらなかった。前半のうちに先制され、後半10分にはPKでリードを広げられそうになる大ピンチを迎えたが、ここはGKウーゴ・ロリスのファインセーブで救われた。そして4バックに戻していたフランスは勢いづき、後半30分までに3得点で逆転した。

　しかし、ここから2失点して試合は延長戦へ。そして、どちらも決勝ゴールを奪えずにPK戦に突入。先攻のスイスが5人全員成功し、フランスも4人成功の状態で最後のキッカーに立ったムバッペだが、ゴール左を狙ったシュートがセーブされてチームの敗退が決まった。

　今大会でノーゴールのうえにPK戦のラストキッカーとなってしまったムバッペについて、デシャン監督は「誰も彼に苛立ちをぶつけることは許されない。責任を買って出た時、これは起こりえる。彼は間違いなく、その影響を受けていた」とコメントした。

　また、16強という早期敗退で監督人事に関する議論が巻き起こりかねない状況については「それは問題ではない」としたうえで、「チームには固い団結力がある。私に責任があるが、物事が上手く進まない時であっても、私はチームとともにあり、チームは私とともにある。これをマネジメントするために私たちは時間を必要としている。魔法のやり方など存在しない。将来を見つけるためのバランスがある」と、デシャン監督は話した。

　2018年にロシア・ワールドカップ（W杯）を制していたことで、自身が現役時代の1998年W杯と2000年EUROで達成した“ダブル”の権利を持っていたが、伏兵スイスに敗れることになった。それでも、不発に終わった若きエースへの批判には強い予防線を張っていた。