浦和が証明した「2カ月間の進化」 ユンカー加入だけではない“チームの成長”とは?
福岡に2-0と勝利し2カ月前の“リベンジ”、ロドリゲス監督も選手のポジショニングを評価
浦和レッズは27日のJ1リーグ第20節でアビスパ福岡に2-0で勝利した。約2カ月前に0-2で敗れた相手へのリベンジには、この間にチームが進化したことを強く感じさせる要素が散りばめられていた。
浦和は5月1日の第12節、アウェーでの福岡戦に0-2で敗れた。この時、中継を担当した「DAZN」の前半終了時のスタッツでボール保持率が75%だったことが話題を呼んだ。しかし、そのボール保持率の割にゴール前のシーンは数えるほどでしかなく、最終的にはミスや福岡FWジョン・マリの強烈な身体能力を生かした攻撃で敗れた。
この福岡戦が、6月20日のリーグ第18節で湘南ベルマーレに2-3で敗れるまでの最後の敗戦で、この間は公式戦無敗だった。原動力となったのは、福岡戦の直後にJデビューした新加入のデンマーク人FWキャスパー・ユンカーだったのは間違いないが、その間にチームも大きな向上を見せてきた。
それが、この日の福岡戦で見せたプレッシングを受けた時のポジションの取り直しの早さにあったと言えるだろう。福岡は追い回すようなプレスをかけるわけではないが、狙ったゾーンに入った瞬間、一気の囲い込みを見せる。この時に、浦和の選手たちはプレースピードを上げることを強いられたものの、ミスをすることなく素早くポジションを取ってボールを動かした。ブロックの外側で延々とボールを回して保持率の高かった前回対戦時とは雲泥の差だった。
リカルド・ロドリゲス監督も試合後に、「ポジショニングや人と人との立ち位置の入れ替え、そういったところはすごく良くなっている。後半に関して言うと、課題はあった。ただ、全体的には今話したポジショニングなどは、すごく成長している」と話す。
また、そのユンカーがこの試合でノーゴールに終わりながらも、トップ下のMF小泉佳穂にリーグ初ゴールが生まれたのも好材料だろう。それも、チーム全体で前にボールを運んだ後に、ペナルティーエリアの外から積極的なミドルシュートを放ってのものだった。ユンカーの得点力に依存しているという厳しい見方もあっただけに、指揮官も「崩しのところも、プレーの過程も良かったと思いますし、左足ですごくいいシュートを決めてくれた。トップ下の選手がこうやって得点を重ねていけるようになってくれれば、すごくいい」と絶賛だった。