「史上最大の強盗」 日韓W杯の“誤審騒動”、スペイン紙回顧に反響「怒りと痛みを引き出した」
19年前の2002年日韓W杯・準々決勝、韓国対スペインで「物議を醸す判定」
スペイン人にとって、19年前のワールドカップ(W杯)で起きた“誤審騒動”は忌まわしい記憶として脳裏に深く刻まれているようだ。スペイン紙「AS」は公式インスタグラムに、2002年日韓W杯・準々決勝の韓国戦の写真3枚を投稿。「19年前の今日、スペインは物議を醸しているアル=ガンドゥールの判定により韓国のW杯で敗退した」と記し、当時のスペイン代表が味わった悲劇に再びスポットライトを当てている。
日韓共催のW杯はブラジルが史上最多5回目の優勝を成し遂げたが、最もインパクトを残したと言えるのがアジア史上初のベスト4進出を果たした、フース・ヒディンク監督が率いる韓国だった。一方で、その勝ち上がりの過程のなかでは、審判団による不可解な判定が論争を巻き起こした。その一つがベスト16のイタリア戦(2-1)で、優勝候補の一角だったアズーリは不利なジャッジに悩まされ、延長戦では明らかなゴールがオフサイド判定となり、エースFWフランチェスコ・トッティは2枚のイエローカードで退場処分に。バイロン・モレノ主審への買収疑惑も報じられるほどだった。
そしてもう1試合、“誤審騒動”の被害者となったのが2002年6月22日、光州ワールドカップ競技場で行われた準々決勝で韓国と対戦したスペインだった。
後半3分にFKから、MFルベン・バラハが合わせてネットを揺らすも、エジプト人のガマル・アル=ガンドゥール主審による不可解なファウルの判定で取り消しに。さらに0-0で突入した延長前半2分にも、右サイドを突破したFWホアキン・サンチェスのクロスからFWフェルナンド・モリエンテスがヘディングシュートを放ちネットを揺らしたが、ホアキンのクロスがゴールラインを割っていたと判定され再びノーゴール。だがリプレーではラインを割っていなかったことが発覚し、大きな波紋を呼んだ。最終的にスペインは0-0で迎えたPK戦に3-5で敗れ、ベスト4進出を逃した。
あの悲劇から19年が経過した日、スペイン紙「AS」公式インスタグラムは3枚の写真を投稿。DFフェルナンド・イエロがアル=ガンドゥール主審に抗議しているシーン、ホアキンのクロスがゴールラインを割っていない決定的瞬間、そして試合後に泣き崩れるモリエンテスの姿を捉えたもので、「19年前の今日、スペインは物議を醸しているアル=ガンドゥールの判定により韓国のW杯で敗退した」との一文を添えている。
この投稿に多くのスペイン人ファンが反応。「サッカー史上最大の強盗の一つ」「そのゲームは私の怒りと痛みを引き出した」「どれほど不公平だったか」「この日は忘れられない」「歴史的な強盗」「物議を醸す判定」など、19年の歳月が経った今も怒りが収まらない様子だ。
スペインは8年後の2010年南アフリカ大会で、悲願のW杯初優勝を達成。08年と12年には欧州選手権を制覇し黄金期を謳歌したが、スペイン人の中では日韓W杯の歴史的誤審は“負の記憶”として、いつまでも心に刻まれ続けるのかもしれない。