「FWの仕事はチームを勝たせること」 上田綺世、五輪金メダルの目標へ掲げる“ノルマ”
かつては出場するとは「微塵も思っていなかった」東京五輪出場の切符を手にする
森保一監督率いるU-24日本代表は、22日に東京五輪に出場するメンバー18人を発表。チーム発足から最多の17ゴールを挙げてきたFW上田綺世(鹿島アントラーズ)もメンバー入りを果たし、同日のオンライン会見で「がむしゃらに戦いたい」と意気込みを語った。
【注目】白熱するJリーグ、一部の試合を無料ライブ配信! 簡単登録ですぐ視聴できる「DAZN Freemium」はここから
56年ぶり2度目となる東京での五輪開催が決まったのは2013年9月のこと。上田は当時15歳。その後、鹿島アントラーズノルテジュニアユースからユースに昇格できず、鹿島学園高に進学する時期だ。中学時代、五輪出場は遠い世界の話だと思っていたという。
「当時は、自分が関与するとは微塵も思っていませんでした。望む進路に行けなくて、むしろプロになれるか不安だった時期。一番苦しい時だったと思います。五輪は雲の上の話。僕に関係のないレベルだった。大学1年生になって、五輪世代の活動が始まると同時にチームに呼んでもらえた時は、自分が代表に入るというあまりイメージがなくて、特殊な気持ちだった。代表で活躍して自分の名前を上げていく、選手としての価値を上げていって、チャンスに変えたかった」
森保監督が最初に五輪チームを率いたのは2017年12月。早3年半の月日が流れてのメンバー発表となったが、上田は「長かった」と胸中を明かす。今回、オーバーエイジ枠はDF吉田麻也(サンプドリア)、DF酒井宏樹(浦和レッズ)、MF遠藤航(シュツットガルト)と守備的な選手に割かれた。FW登録の選手は上田とFW前田大然(横浜F・マリノス)のみで、東京五輪世代の“稼ぎ頭”として君臨してきた上田に対する期待は大きい。それでも、オーバーエイジの有無に関係なく、結果を残すのみだと語る。
「仮にオーバーエイジでFWの選手が来てくれてもその気持ちは変わらないし、変わってはいけない。むしろチャンスだと思ってがむしゃらに戦いたい。FWの仕事はチームを勝たせること、得点を含めて勝たせるためのきっかけを作ること。それを全うしようという僕のコンセプトがある。(世間で)どういう反響が起こるかは、その次の現象。僕としては気にしていない。あくまでチームの金メダルという目標があって、そこに向かうために1人でありたい」
所属するチームで活躍することだけにフォーカスし、法政大、鹿島で進化を続けてきた上田。「自分の引き出しを増やすことを常に意識している」と語っており、さらに実力を磨いて五輪本選に臨む覚悟だ。
(FOOTBALL ZONE編集部)