元Jリーガー初の都議会議員への挑戦 “プリンス”星大輔、町田の未来に捧げる第2の人生

18年に町田市議会議員となり、「誰もが住みたい街」の実現に注力【写真:本人提供】
18年に町田市議会議員となり、「誰もが住みたい街」の実現に注力【写真:本人提供】

元サッカー選手の経験を生かし、積極的にスポーツ面の環境整備も行う

 星は2017年に株式会社ゼルビアを退社し、翌18年に町田市議会議員選挙に自由民主党から出馬して当選。市内を所狭しと歩き回り、市民の話を聞き、街の発展に汗を流してきた。小さなことで言えば、ミラー設置や道路の補正、大きなことで言えば、FC町田ゼルビアが本拠地とする町田GIONスタジアムの“J1仕様”への改修工事、実現した時にはすべてが大きな喜びとなった。

【注目】白熱するJリーグ、一部の試合を無料ライブ配信! 簡単登録ですぐ視聴できる「DAZN Freemium」はここから

「私は地域の方々と、町田市の職員さんの間にいる“パイプ役”。スタジアム完成のような大きなことを達成できた時はもちろん、『ここにミラーがあったら、通学の時に子どもたちは安全だよね』『この穴ぼこは危険だよね』といった市民のみなさんの声をすぐに届けて、解決できた時はやりがいを感じます。叱咤激励をいただくこともありますが、しっかりと受け止めないといけないと思います」

 町田市は少年サッカーの盛んな街として知られてきたが、今は公園の使用にも制限があり、思うようにボールを蹴れないような環境だ。小中学校の夜間照明設備も発展途上で、2010、14~19年にFC町田ゼルビアで指揮を執った相馬直樹監督(現・鹿島アントラーズ監督)とかわした会話が星は記憶に残っているという。

「相馬監督はサッカー王国・静岡は清水の出身。静岡市の小中学校130校のうち、90%にナイター照明があるのに対して、町田市は62校中1校のみなので、『それじゃあサッカーの街とは言えない。なんとかしろ』とFC町田ゼルビアの職員時代から言われてきました。スタジアムに足を運んでもらうには、サッカーなり、スポーツを好きになってもらわないといけませんが、今はサッカークラブに入るきっかけになるような公園も制限があって、子どもたちが球技をできません。小中学校のナイター照明設置にも力を入れていて、数年後には設置が決まっています」

 市議会議員になって3年目、「誰もが住みたい街・町田の実現」を目指し、「多摩都市モノレールの町田方面早期延伸」「児童虐待ゼロ」「高齢者・障がい福祉の拡充」を重点施策として、インフラ整備にも取り組んできた。その最中、同じ自由民主党で、これまで東京都議会議員を5期務めてきた吉原修氏が今回の東京都議選は不出馬となり、星にチャンスが巡ってきた。「挑戦しないことが一番の失敗」。日本サッカー協会(JFA)の夢先生として、子どもたちに伝えてきた言葉が頭をよぎったという。

「吉原議員が引退されて、『星どうだ』と言っていただきました。市議会議員として3年目で、まだこれからという部分もありますが、チャンスがあるんだったら掴みに行けとサッカー選手になってから学ばせてもらいました。子どもたちにも『どんどんチャレンジしていきなさい』と伝えてきましたし、自分がこのチャンスから逃げるのは考えられませんでした」

page1 page2 page3

今、あなたにオススメ

トレンド

ランキング