日本代表、W杯最終予選の“勝算”と“課題” 金田喜稔が指摘する「2つの不安要素」とは?
森保監督の采配面での評価は「隠れているだけで判断できない」
2019年2月のアジアカップ決勝カタール戦(1-3)や、昨年11月の欧州遠征でのメキシコ戦(0-2)のような状況下になってこそ問われる指揮官の“采配力”。悪い流れを断ち切って1点を取るために、森保監督がどんな指示をピッチ上の選手に送り、選手交代やシステム変更によってメッセージを送るのか。W杯アジア最終予選に向けて、「緊迫した状況での采配がないのは少し不安」と語る金田氏は、昨年のメキシコ戦などで感じた攻撃をどう構築していくのかという采配面での物足りなさは、現在チームが大勝し続けていることで「隠れているだけで判断できない」としている。
最後に「最終予選のキーマン」について問うと、金田氏はDF吉田麻也、MF遠藤航、そしてMF鎌田大地の3人の名前を挙げた。
「最終予選の厳しさ、ディフェンスの統率力がもっと必要になってくる時、鍵を握るのはやはり吉田になるだろうし、中盤のコントロールタワーとして柴崎や守田など誰と組んでもハイレベルなパフォーマンスを見せる遠藤の存在は大きい。
そして攻撃面ではもちろん、南野や大迫、伊東もチームに不可欠なプレーヤーだが、誰と組んでもその特長を引き出せる鎌田の影響力は確実に高まっている。さらにプレー面だけでなく、チームとしてなんのためにプレスをやっているのか、奪った瞬間に何を第一優先にするのか、真っ先に縦へボールをつけてほしいといった“発信力”でも存在感を高めている。チーム全体で同じ絵を描くうえで、キーマンの1人になるはずだ」
金田氏は改めて、選手の能力を見ても、チームの規律を見ても「すごく良いチームに仕上がっている」と森保監督のチーム作りを評価したが、最終予選の戦いはやはり“別物”であり、一抹の不安を覚えているようだ。
[PROFILE]
金田喜稔(かねだ・のぶとし)
1958年生まれ、広島県出身。現役時代は天才ドリブラーとして知られ、中央大学在籍時の77年6月の韓国戦で日本代表にデビューし初ゴールも記録。「19歳119日」で決めたこのゴールは、今も国際Aマッチでの歴代最年少得点として破られていない。日産自動車(現・横浜FM)の黄金期を支え、91年に現役を引退。Jリーグ開幕以降は解説者として活躍。玄人好みの技術論に定評がある。