日本代表、W杯最終予選の“勝算”と“課題” 金田喜稔が指摘する「2つの不安要素」とは?
W杯アジア2次予選の戦いを総括、チームの「規律の高さ」「メンタルの強さ」を評価
日本代表は15日、カタール・ワールドカップ(W杯)アジア2次予選の最終戦でキルギス代表に5-1と快勝し、8戦全勝、46得点・2失点という圧倒的な成績を残して9月から始まる勝負の最終予選へと駒を進めた。森保一監督が率いるチームの2次予選での戦いぶりを、元日本代表の識者はどのように見たのか。「天才ドリブラー」として1970年代から80年代にかけて活躍し、解説者として長年にわたって日本代表を追い続ける金田喜稔氏が、2次予選で見せた森保ジャパンのパフォーマンスと、最終予選に向けたキーポイントを語った。
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「現在の日本代表はU-24代表のメンバーも含めて、本当にチーム全体の規律が高く誰が試合に出てもサボることがない。特に浸透しているのは、ボールを取られた後の守備への切り替えの早さで、これは『スーパー』と言ってもいいレベル。誰が出てもしっかりとやり抜く。その規律の高さは森保監督が作ってきたものだし、途中出場でピッチに立った選手にも当たり前のように体に叩き込まれてあって、表現してくれている」
金田氏に現在の日本代表の印象を訊くと、真っ先にチームとしての“規律の高さ”を挙げた。これは森保監督が2018年ロシアW杯後に就任してから約3年、限られた活動機会のなかでチームに植え付けてきたもの。特に新型コロナウイルス感染拡大後は、選手やスタッフ同士でコミュニケーションを取れる機会が限られており、ホテルの部屋にそれぞれが閉じこもらなくてはいけない状況下で、「チームの中に規律と緊張と競争を植え付けるうえで、見えないところで監督やコーチが選手たちに様々な配慮をしていたのだろう」と、試合やトレーニング以外の時間も含めたマネジメント力を称えた。
「とにかく今の日本の選手からは、メンタルの強さをすごく感じる。欧州組はもちろん、それぞれがプライドを持って自分が選ばれる価値のある選手だと証明しようとしていて、チャンスを与えられたJリーグの選手たちも『日本代表でやっていくんだ』という強い覚悟を見せてくれた」
だからこそ金田氏は、「残念だったのは……」と言葉をつなぎ、今回の日本代表の活動における物足りなさを口にした。