アーセナル狙う16億円の神童が大切にする宝物とは… 「中村俊輔は僕のヒーローだった」

手渡されたスパイク

 セルティックの公式サイトでティアニーは日本から来たファンタジスタへの憧れを明かしていた。

「あの夏はワールドカップがやってきた。日本も参加することになっていたので、選手はみんな彼との記念のビデオ撮影をお願いしていたんだ。セルティックパークでの練習で舞い上がっていた。そして、ウオーミングアップの後にナカが登場したんだ。彼と練習できるなんて最高だったよ。練習後にダッグアウトにみんな座って待っていたら、彼はスパイクを脱いだんだ。それを見た瞬間、みんな大興奮だったよ。彼は僕に渡してくれたんだ。その時の僕のヒーローの一人だったからうれしかった」

 10歳のティアニー少年は、セルティック下部組織の練習にゲスト参加した中村の前でテクニックを披露。憧れの「25番」から練習で最も目立ったご褒美にスパイクをプレゼントされた。その宝物は、今でも寝室の棚の一番上のガラス箱の中で鎮座しているという。

「彼は確かに言ったんだ。ボールキープの練習で僕が一番だったって。最高の1日だったよ。僕はナカを目指してきた。全てのセルティックファンと選手は彼を愛している。なぜなら、本当に素晴らしい選手だからさ。フリーキックや、GKを欺くプレーなど、彼の技術は最高なんだ。いつでもどんな時も彼は頼りにされていた。ワールドクラスの選手だったんだ」

 「ナカ」の異名で愛されたグラスゴーの英雄は、ティアニーの心に深く刻まれている。ファンタジスタの魂と共にアーセナルに乗り込むのだろうか。

【了】

サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

 

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