【月間表彰】「いいポジショニングを心掛けている」 栗原勇蔵×チアゴ・マルチンス対談…スライディングしない理由とは?
【後編】動画で守備を学ぶ!? 憧れの選手はブラジルとイタリアのあの選手
スポーツチャンネル「DAZN」とパートナーメディアで構成される「DAZN Jリーグ推進委員会」との連動企画で、元日本代表DFとして活躍した栗原勇蔵氏は5月のJリーグ「月間ベストディフェンシブプレーヤー」に元チームメートで横浜F・マリノスのチアゴ・マルチンスを選出。前編に続いて、対談後編ではチアゴが憧れの選手や守備のポリシーについて栗原氏に明かした。
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【月間表彰:前編】「オフサイド・ディレイはDFからしたらきつい」 栗原勇蔵×チアゴ・マルチンス対談
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栗原 ポジションはずっとDFだったの?
チアゴ 最初はGKだったんです。お父さんがGKだったのでその影響で、フットサルの大会ではGKをやっていた。でも、「意外と俺、足下あるじゃん」って気づいて、少し前に出てみようかなってチャレンジしてセンターバック(CB)にポジションを変えたんです。
栗原 昔、憧れていた選手とか、今、憧れている選手っている?
チアゴ チアゴ・シウバ(チェルシー)ですね。ブラジル代表のCBです。プレースタイルもすごく好きですし、サッカー選手としてのキャリアも好きで、動画を見たりして勉強もしています。あとはミランで活躍した元イタリア代表のパオロ・マルディーニも憧れですね。
栗原 マルディーニはチアゴ選手の世代じゃないよね?
チアゴ 違うんですけど、動画を見て勉強していますね。真似しようと思うプレーもあるけど、僕と違うのは、マルディーニはスライディングをしていた選手なので、そこはできないんですけど、他のDFのプレーで真似できるものは吸収したいと思っています。
栗原 そういえば、チアゴ選手ってスライディングしないよね? スライディングしたら、相手にやられるっていう考えからしないのかな?
チアゴ それには二つの理由があって。まずは、いいポジショニングを取っていればスライディングをしなくてもタックルに間に合う位置に動けるということ。もう一つは勇蔵さんが言うように、スライディングすると相手にやられるという意識があるからです。現代サッカーはスキルの高い選手がたくさんいて、ペナルティーエリア付近でスライディングしたら、相手にカットインされてシュートを打たれるイメージがあるんです。だから僕はあまりスライディングを好みません。なので、常にしっかりといいポジショニングでいることを心掛けていますね。
栗原 その考えはどこで学んできたの?
チアゴ 育成年代の17歳ぐらいの時、モジミリンECというチームでプレーしていたんですけど、その時のコーチの教えです。その人も元CBで、そんなに身長は高くないのですが、彼が「いいポジショニングをすればスライディングしなくていい」と教えてくれたんです。仮に、悪いポジショニングであとから遅れて行ってスライディングして、カットインされたらやられると。それを言われてから、確かにそうだなと思って。それからはずっとポジショニングを常に考えています。ブラジルではDFがスライディングをするとサポーターに喜ばれるのですが、僕はスライディングをしないディフェンスの仕方なので、その後、パルメイラスでプレーしていた時のサポーターの評価がどうだったかは分からないですけど、僕自身の守備のポリシーとして育成年代の頃からずっとポジショニングを心掛けてやっています。
栗原 そういうことだったんだね。チアゴ選手は能力が高いうえに、ポジショニングも凄くいいと感じていたから、納得したよ。育成年代の時の教えだったんだね。
チアゴ はい。やはり育成年代の時にそういう教えをすることはすごく大事なことだと思います。小さい頃からそうやって叩き込まれていくと、自然と頭に入るし、プロになってから、必要な時に生きてくる。特にF・マリノスに来てからは、ハイラインを敷く戦術なので、ラインの上げ下げなど、僕のポジショニングが目立つようになりました。だからこそ、ポジショニングが本当に欠かせないんだと思っています。