【月間表彰】「オフサイド・ディレイはDFからしたらきつい」 栗原勇蔵×チアゴ・マルチンス対談
【前編】5月のベストディフェンシブプレーヤーは横浜FMのチアゴ・マルチンスを選出
スポーツチャンネル「DAZN」とパートナーメディアで構成される「DAZN Jリーグ推進委員会」との連動企画で、元日本代表DFとして活躍した栗原勇蔵氏は5月のJリーグ「月間ベストディフェンシブプレーヤー」に元チームメートで横浜F・マリノスのチアゴ・マルチンスを選出。5月の試合全体を通して高いパフォーマンスを出し続けたことを評価しての選出だという。対談企画の前編では、5月の試合のなかで栗原氏が印象に残ったヴィッセル神戸戦(第13節/2-0)を振り返りつつ、話題はサッカーを始めたきっかけに及んだ。
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【月間表彰:後編】「いいポジショニングを心掛けている」 栗原勇蔵×チアゴ・マルチンス対談…スライディングしない理由とは?
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栗原 チアゴ選手、今日はよろしくね!
チアゴ・マルチンス(以下チアゴ) ヨロシクオネガイシマス!
栗原 今、Jリーグの試合のなかから『月間ベストディフェンシブプレーヤー』を決める表彰をDAZNさんとやっているんだけど、5月は全体を通してパフォーマンスが最も高かったベストディフェンシブプレーヤーという視点で、チアゴ選手を選出させてもらいました。
チアゴ ありがとうございます! 5月は守備でみんなが貢献してくれました。DF陣だけじゃなくて、チーム全体が助け合って失点も少なかったですし、相手チームの特徴も上手く消していたと思います。全員がディフェンス面でいいパフォーマンスができていたから、そのおかげかなと思います。
栗原 そんななかで気になったプレーということで、第13節のヴィッセル神戸戦を挙げさせてもらったんですけど、前半のアディショナルタイムのセルジ・サンペール選手からの縦パスが古橋亨梧選手に通ったけど、追いついて対応したシーンと、61分の郷家友太選手のシュートをチアゴ選手が体を張って防いだシーンです。でもこの後、珍しく足がつっていたよね?
チアゴ ブロックした後ですね。これは思い出したくもないシーンです(苦笑)。今まであんなに足がつったことはないですが、暑さだったのか、水分補給が足りなかったのか、分からなかったですけど。
栗原 じゃあ、もうこの時はつってたんだね。
チアゴ この時、実はすごくイライラしていたんですよ(笑)。古橋選手が抜け出した時点でオフサイドだったんですよね。だけど、今のルールではフラッグが上がらないから走って追いついて。最終的にケン(松原健)がブロックした後にオフサイドになったんです。
栗原 確かに、オフサイド・ディレイはDFからしたら体力的につらいよね。
チアゴ その後にも、足がつってピッチに戻った時にアユブ・マシカ選手に裏に抜けられて追いついたシーンがありましたが、それも追いついた後にオフサイドになったし。このオフサイド・ディレイはDFにとってはだいぶきついですね。
栗原 俺も現役の時は、すぐにフラッグを上げてほしくて「オフサイドだよ!」って叫んでいたからなあ(苦笑)。
チアゴ 特にF・マリノスの戦術はハイラインなので、戻る距離も長い。そのうえスプリントで戻った後に「オフサイド!」って言われると、本当につらいですよね。
栗原 61分のシーンはどう?
チアゴ その前の走っているところで足がつり始めていたんです。それでジョギングで戻って、ブロックに行って、ボールが当たった瞬間、完全につってしまいました。
栗原 上で見ていて、膝とか怪我したのかなと思ってびっくりしたんだよ。
チアゴ 伸ばしてもらっている時は、日本語で「モット、モット、モット!」って言ってたんだよ(笑)。
栗原 今、ジョギングで戻ってきてたって言っていたけど、仮に足がつっていなかったとしても、今のポジションには戻ってこないといけなかったの?
チアゴ つっていなかったら、シン(畠中槙之輔)の近くにいたと思いますね。キーボー(喜田拓也)とタカ(扇原貴宏)がいた付近です。本来だったら、そこまで自分が戻っていたと思います。