「漫画のようだ」と絶賛した選手は? U-24日本代表「出場18人」を金田喜稔が採点
久保の存在は五輪対戦国にとって「間違いなく脅威となる」
■久保建英(ヘタフェ/→後半20分OUT)=★★★★★
U-24ガーナ代表戦に続いて果敢なプレーを見せてくれた。久保の能力を引き出すうえで、堂安、三笘と並ぶ2列目はベストの3人と言える。前半20分には旗手からのパスを受けて強烈な左足シュートを放ち、これは惜しくも左ポストに当たったが、このシュートの良いイメージがあったからこそ、先制点の場面で縦に切り返して右足クロスではなく、カットインからの左足シュートを迷わずに選択できたのだろう。それにしてもあのゴール、DF3人とGKがシュートコースに一直線に並んで全員の股を抜くなんて滅多にないし、まるで漫画のようだった。ドリブルのキレ、カットインの鋭さ、状況判断の的確さなど五輪対戦国にとっては間違いなく脅威となる。本番に向けて相当対策を練ってくるはずだ。
■堂安 律(ビーレフェルト/→後半30分OUT)=★★★★
得点シーンでは相馬からのボールを受けた際、少しボールが浮いたが落ち着いて決めきった。ジャマイカのA代表を相手にしてもフィジカルが強く、簡単にボールを取られない。また連係面では、自分で行けるシーンでもあえて久保の良さを引き出してあげるようなプレーが見られた。本大会に向けては久保との連係をさらに高めつつ、堂安を中心にした別ルートの打開策も作っていきたい。
■遠藤 航(シュツットガルト)=★★★★★
どんな相手にも自らの任務を遂行する姿は頼もしい限り。球際の勝負、奪ってからの展開力で日本にリズムをもたらし続けた。チーム2点目となったミドルシュートは技術、連係ともにパーフェクト。五輪本大会でも間違いなく武器になるので、積極的に狙ってほしい。
■田中 碧(川崎フロンターレ)=★★★★
遠藤とのコンビネーションは着実に高まっている。この2人が五輪に向けて一番手に位置しているのは間違いなく、田中自身のパフォーマンスも決して悪くはなかったが、この日はいつもよりボールを足もとに置きすぎた印象を受ける。前線の預け先が相手にマークされていて、ワンタッチで出せるシーンをあまり作れなかったのかもしれないが、少し持ち過ぎたことでプレー全体のリズムを下げていた。
金田喜稔
かねだ・のぶとし/1958年生まれ、広島県出身。現役時代は天才ドリブラーとして知られ、中央大学在籍時の77年6月の韓国戦で日本代表にデビューし初ゴールも記録。「19歳119日」で決めたこのゴールは、今も国際Aマッチでの歴代最年少得点として破られていない。日産自動車(現・横浜FM)の黄金期を支え、91年に現役を引退。Jリーグ開幕以降は解説者として活躍。玄人好みの技術論に定評がある。