「漫画のようだ」と絶賛した選手は? U-24日本代表「出場18人」を金田喜稔が採点
東京五輪“最終選考”でジャマイカA代表に4-0と快勝、三笘のアシストは「見事だった」
東京五輪に向けて強化を進めるU-24日本代表は12日、ジャマイカA代表と国際親善試合を行い4-0で勝利した。本大会メンバー“18人枠”を巡る最終選考の一戦となったこの試合、MF久保建英(ヘタフェ)、MF堂安律(ビーレフェルト→未定)、MF三笘薫(川崎フロンターレ)の3人が初めてスタメンとして2列目に並び出場。DF吉田麻也(サンプドリア)、DF酒井宏樹(浦和レッズ)、MF遠藤航(シュツットガルト)のオーバーエイジ(OA)3人も2試合連続で先発し、チームとしての融合を推し進めた。
本大会メンバー発表前の最後の試合での日本の戦いぶりを、識者はどのように見たのか。「天才ドリブラー」として1970年代から80年代にかけて活躍し、解説者として長年にわたって日本代表を追い続ける金田喜稔氏が、この試合に出場した全18選手を5段階(5つ星が最高、1つ星が最低)で採点。先制ゴールの久保、OAで高いパフォーマンスを発揮した酒井と遠藤に“5つ星”を与えた一方、先発したFW前田大然(横浜F・マリノス)とDF町田浩樹(鹿島アントラーズ)の2人には「アピール不足」との評価を下した。
◇ ◇ ◇
<FW>
■前田大然(横浜F・マリノス/→ハーフタイムOUT)=★★★
持ち前のスピードを生かしたチェイシングなど守備での貢献度は高かったが、1トップに入るFWとしてはそれだけでは評価されない。2列目の選手との呼吸がいま一つ合っていなかった印象で、前半11分に三笘からのパスを受けて放ったシュートも相手にブロックされるなど、攻撃面で良いところを出せなかった。
<MF>
■三笘 薫(川崎フロンターレ/→後半15分OUT)=★★★★
後半12分にドリブルで相手をかわし、上田に出したスルーパスでのアシストは見事だった。前半に久保からのパスを太ももでトラップミスしたシーンはマイナス点だったが、前半11分にペナルティーエリア内で仕掛けて相手に倒されたドリブルなど、メンバー発表前最後の試合で持ち味を出した印象だ。そのシーンの後、ドリブルでの仕掛けから前田に出したマイナスのパスは、やはり右足のアウトサイドで出している。縦にも中にもドリブルで行ける体勢のまま出せるあのアウトサイドのパスは、やはり三笘の大きな武器。シュートを打った前田に対する相手DFの対応を遅らせた。
金田喜稔
かねだ・のぶとし/1958年生まれ、広島県出身。現役時代は天才ドリブラーとして知られ、中央大学在籍時の77年6月の韓国戦で日本代表にデビューし初ゴールも記録。「19歳119日」で決めたこのゴールは、今も国際Aマッチでの歴代最年少得点として破られていない。日産自動車(現・横浜FM)の黄金期を支え、91年に現役を引退。Jリーグ開幕以降は解説者として活躍。玄人好みの技術論に定評がある。