「何のためにプレスに行っているか」 鎌田大地、スピーディーな攻撃に“こだわる”理由

鎌田が欧州のトップクラブを見据えて目指すプレーとは?

 この数字を出されても、鎌田にはピンと来なかったようだ。「前半にああやって疲れるようなゲームをしてしまったので、自分的には後半ラスト3本くらい、チャンスのシーンでパスを通せなかった。もっと上を目指すなら、もっとできないといけないし、全然納得できるプレーではなかった」と悔しがる。これだけ厳しいのも、鎌田が見据えているのが、世界のトップだからだ。

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 森保監督の率いる日本は、前線の選手たちがハードワークし、相手にプレッシングをかけて高い位置でボールを奪う。そして、可能な限り相手のゴールに近い位置からカウンターを仕掛けることを狙いにしている。その戦い方について「今のサッカーの主流」と言う鎌田は、日本代表は良い形でボールを奪うことはできているものの、その次の段階に課題があると指摘した。

「自分たちは、攻撃につなげたいということで、あれだけ前から行って、良いプレスをかけて、良い奪い方をしている。あれだけ前から行って、ボールを取ってから落ち着いてしまうと、何のためにプレスに行っているか分からない。ファーストボールで良いボールが1トップに入れば、2列目がスプリントして前に進める。日本代表がああやって前から守備をしようとしているのは、そういうところを狙っているし、ミーティングでもそういう話はしている。そういう部分がまだまだ向上できると思います」

 日本代表の狙いを体現できれば、ヨーロッパのトップクラブへの道も開かれると鎌田は信じている。

「自分のプレースタイル的に、1人でなんとかできるわけじゃない。地味に見えるプレーも結構多いし、今日みたいなゲームは、守備の部分でも体を張ったり、そういう部分が大事になってくる。自分がヨーロッパで、上のクラブでやるためには、そういうプレーをしないといけない。僕はスタープレーヤーではないので。そういう素晴らしいものを持っている選手たちの分も走って、そういう選手にうまく配球することが、上に行くためにはすごく大事なことになると思うので。こういう難しい展開で、90分間チームのためにやり続けるのは大事かなと思います」

 現在、キャプテンのDF吉田麻也(サンプドリア)をはじめ、DF冨安健洋(ボローニャ)、DF酒井宏樹(浦和レッズ)、MF遠藤航(シュツットガルト)といった選手たちが、U-24日本代表に合流したこともあり、チームを離れている。そのなかで見えた課題を指摘した鎌田の言葉は、日本代表全体のボトムアップにも大きな意味がありそうだ。

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