久保建英を小5から指導、恩師が見た進化 体幹強化で生まれた同年代選手との“差”とは?
木場克己氏が語る久保の20歳初ゴール「成長を感じました」
U-24日本代表MF久保建英(ヘタフェ)は5日、ベスト電器スタジアムで行われたU-24ガーナ代表との国際親善試合に先発し、前半32分に“20歳初ゴール”となる得点をマークした。小学5年生の頃から指導しているプロトレーナーの木場克己氏(COREトレSTUDIO)は、日本サッカー最高傑作と呼ばれる神童の10年間の成長を振り返ってくれた。
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「建英も、もう20歳ですか。順調にパワーアップしていますね。ゴールシーンでも成長を感じました。具体的にはトラップしてからの次の動きに移行するスピードです。腸腰筋、大腰筋というインナーマッスルをしっかりと鍛えてきたので、シュート場面も押し出すようなキックにつながっています。小さなシュートモーションと細かい振りでしっかりとミートする。押し出すようなキックでシュートのパワーにつなげていますね」
久保がバルセロナの下部組織に在籍していた小学5年生の頃から指導をしている木場氏はこう語った。レアル・マドリード下部組織の所属で、トップチームの練習にも合流している中井卓大ら若き逸材を指導している木場氏は、サッカー指導者向けのトレーニングメソッド「CBAfootball +」を新たに開発。育成年代のみならず、トレーナーの後身の指導にも尽力している名伯楽は、久保の“20歳初ゴール”に成長の痕跡を見出していた。
体幹トレーニングに取り組んでから10年が経ち、東京五輪世代のなかでも大きな差が存在するという。
「U-24の同年代の他の選手との違いは、姿勢ですね。すごくいい。体幹をしっかりと鍛えた成果とも呼べる、あの姿勢がすべてのプレーのスピードと精度に良い影響を与えていると思います」
木場氏はこう話してくれた。背筋が伸びた状態で華麗なドリブル突破を繰り出す久保だが、プレー時に姿勢が悪い選手とはどんな違いが生まれてくるのだろうか。
「姿勢の悪い選手は、股関節が曲がった状態でボールを受けたり、重心が前に出ている選手も多い。反転や切り返しの場面など、次のプレーに移行する際に無駄や遅れが生まれてしまうケースがあります。一方、建英の場合、ボールを受ける時も姿勢がまっすぐ。次の動きがスムーズです。姿勢が良い分、股関節の可動域も十分で、一歩の動き出しも早い。トラップからの振りの速さ、ボールにパワーを伝える力につながっていると思います」