「政治的挑発」 ウクライナ代表の新ユニフォームが波紋、前面デザインにロシア反発
EUROで着用する新ユニフォームを発表、前面にあしらわれた地図が問題に
欧州選手権(EURO)が6月11日(現地時間)より開幕するのに先立ち、出場国のウクライナ代表が大会用の新ユニフォームを発表した。しかし、シャツの前面に描かれた地図が波紋を広げており、海外メディアはその詳細を報じている。
4年に一度開催されてきたEUROは当初、昨年の同時期に行われる予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で延期に。通算16度目となる今大会は、イングランド(ロンドン)、ドイツ(ミュンヘン)、イタリア(ローマ)、スペイン(セビージャ)など欧州11都市で分散開催され、1カ月にわたって白熱の戦いが繰り広げられる。
大会開幕に先立ち、ウクライナはEUROで着用する新ユニフォームを発表。イエローベースのシンプルな1着になっているが、物議を醸したのがシャツの前面に施されたデザインだ。そこには自国の地図が描かれているが、ロシアが領土の一部だと主張(国際的には未承認)する南部のクリミア半島が含まれていた。
ユニフォームには「ウクライナに栄光あれ!」「英雄たちに栄光あれ!」というスローガンも記されていたことから、ロシア側が猛反発。英紙「ザ・サン」は「ウクライナのEUROキットがロシアで怒りを爆発」と見出しを打ち、「自国の地図にクリミアが含まれていることに激怒している」と報じている。
英公共放送「BBC」によると、ロシアの連邦議会議員からは「政治的挑発」との声も出ており、同国外務省のマリア・ザハロワ報道官は、「ありえない幻想を作り出した」とこのユニフォームを批判。大会開幕が目前に迫っているなか、ウクライナの新ユニフォームを巡る問題は、どのような形で決着するだろうか。
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