「どれだけ上手いんだ」と2選手に“5つ星” 「U-24ガーナ戦出場17人」を金田喜稔が採点

ラフプレーに抗議した吉田の姿は、チームがまとまるうえで非常に大きい

<DF>
■中山雄太(ズウォレ/→後半39分OUT)=★★★★

 守備面で相手に脅かされるシーンがほとんどなく、攻撃面でも堂安や久保のいる右サイドを中心に攻撃が展開されるなかで、逆サイドの酒井が上がった時の中への絞りや、左サイドハーフの相馬を高い位置に押し上げるためのサポートに徹した。後半11分には左サイドをオーバーラップして、左足でのクロスで上田のゴールをアシスト。無失点勝利にも貢献し、攻守で結果を残した。

■冨安健洋(ボローニャ/→後半13分OUT)=★★★★

 東京五輪世代とはいえ、すでにA代表の主力として風格十分。センターバックでコンビを組む吉田、ボランチの遠藤との連係もスムーズで、最終ラインに安定をもたらした。右膝の違和感で直近の代表戦を欠場していたが、素早いカバーリングや的確なポジショニングで相手にチャンスを作らせず。ビルドアップもそつなくこなした。

■吉田麻也(サンプドリア)=★★★★★

 堂安に縦パスを通して相馬が決めた4点目のシーンでは、ボールのもらい方、蹴り方で上手さを見せた。右45度の体の向きで、受け手のほうを見ないでインフロントに引っかけながらパスを出したことで、相手のマークも一歩遅れて堂安のプレーに余裕を与えた。守備面でも危ないシーンはほぼなく、後半26分には田中に対する相手のラフプレーに対して猛然と詰め寄り抗議。吉田の行動がU-24世代の選手に勇気を与えるものだったのは間違いなく、リーダーとしての地位が確立されたのは間違いない。五輪に向けてプレー以外の部分で、チームがまとまっていくことにおいて非常に大きなシーンになった。

■酒井宏樹(マルセイユ→未定)=★★★★

 ガーナの選手が若く、そこまでフィジカルが強いように見えなかったとはいえ、局面で一歩も引かない激しいプレーを見せ、相手に同サイドでの主導権を渡さなかった。OAとしてチームに加わった責任感やプライドを感じるプレーぶりで、オウンゴールを誘発した前半終了間際のシーン以外でも、高精度のクロスを供給していた。

<GK>
■谷 晃生(湘南ベルマーレ)=★★★★

 OA選手が加わった最終ラインが抜群の安定感を示したことで、被シュート数はわずかに「1」。後半に相手のカウンターから独走を許したシーンで、冷静なセーブで失点のピンチを回避した。ビルドアップへの参加も無難にこなした。

金田喜稔

かねだ・のぶとし/1958年生まれ、広島県出身。現役時代は天才ドリブラーとして知られ、中央大学在籍時の77年6月の韓国戦で日本代表にデビューし初ゴールも記録。「19歳119日」で決めたこのゴールは、今も国際Aマッチでの歴代最年少得点として破られていない。日産自動車(現・横浜FM)の黄金期を支え、91年に現役を引退。Jリーグ開幕以降は解説者として活躍。玄人好みの技術論に定評がある。

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