「どれだけ上手いんだ」と2選手に“5つ星” 「U-24ガーナ戦出場17人」を金田喜稔が採点
堂安の左足がチームの大きな武器だと再認識
■久保建英(ヘタフェ/→後半33分OUT)=★★★★★
ゲーム序盤から果敢に仕掛けて、左足での積極的なシュートで堂安の先制点を導いた。前半25分には見事なステップで縦に仕掛けて右足シュートでクロスバー直撃。そうしたプレーが前半32分のゴールにつながった。得点シーンもそんなに簡単なものではなく、上田から戻されたボールを左足インサイドで受けて、寄せてくる相手DFとの距離を考えてアウトで触って次の瞬間にインフロントで浮かせて決めている。どれだけ上手いのかと、改めて久保の技術の高さ、状況判断の的確さが光ったシーンだった。右サイドの堂安との関係性も素晴らしく、流動的なポジションチェンジも含めて日本の武器となっている。今後は周囲の選手が久保の感性をさらに共有できれば、チームとしてより連動した攻撃を展開できるはずだ。
■堂安 律(ビーレフェルト/→後半22分OUT)=★★★★
1点目の左足ボレーを含めて、堂安の左足がこのチームの大きな武器であることが再認識できた。今季のブンデスリーガをフルで戦ったことで、プレーに自信が戻ってきており、久保とのコンビネーションも素晴らしかった。また後方からパスを引き出して、「やっぱり凄いな」と思わず唸るような質の高いパスも供給。4点目のシーンでは吉田からのパスを受けて素早く相馬に出している。本人も自覚しているように、とにかくこのチームでは得点に絡むことが期待されている。アタッキングサードでは果敢に仕掛けてほしいし、カットインの鋭さもさらに磨いてほしい。
■遠藤 航(シュツットガルト)=★★★★
相手を圧倒する試合のなかで、守備面で試されるようなシーンがほぼ訪れなかった。球際でレベルの違いを見せつけ、田中と近い距離を保ってパスを散らした。もともと誰とでも組めるタイプではあるが、田中とともに小気味よくボールを動かしてリズムを作った。
■田中 碧(川崎フロンターレ)=★★★★
U-24ガーナ代表との実力差がありすぎて、守備面での評価が難しい試合だった。もっとも遠藤とのコンビはお互いの感性が合う印象で、攻守における距離感は試合を通して良かった。パスセンスの高さを見せた一方、見逃せなかったのはミドルシュートの意識。前半25分の強烈な一撃は枠を捉えられなかったが、本大会を見据えれば絶対に必要となるプレー。この意識は今後も維持してほしい。
金田喜稔
かねだ・のぶとし/1958年生まれ、広島県出身。現役時代は天才ドリブラーとして知られ、中央大学在籍時の77年6月の韓国戦で日本代表にデビューし初ゴールも記録。「19歳119日」で決めたこのゴールは、今も国際Aマッチでの歴代最年少得点として破られていない。日産自動車(現・横浜FM)の黄金期を支え、91年に現役を引退。Jリーグ開幕以降は解説者として活躍。玄人好みの技術論に定評がある。