2列目トリオは「ポテンシャルを見せつけた」 英記者が東京五輪世代の“才能”を絶賛
U-24ガーナ代表に6-0大勝、A代表の舞台でも楽しみなタレントが輝く
東京五輪出場を目指すU-24日本代表は5日、U-24ガーナ代表と国際親善試合を行い6-0と大勝した。本大会グループリーグ初戦の南アフリカ戦を想定した一戦に、DF吉田麻也(サンプドリア)、DF酒井宏樹(マルセイユ→未定)、MF遠藤航(シュツットガルト)とオーバーエイジ3人を揃って先発起用。“A代表の守備陣”が後方を支えるなか、MF堂安律(ビーレフェルト)やMF久保建英(ヘタフェ)らが得点を重ねて勝利した。
本大会メンバー18人枠を巡る最終選考の一戦としても注目され、文字通りの圧勝劇となったこの試合を、海外の識者はどのように見たのか。かつてアジアサッカー連盟の機関紙「フットボール・アジア」の編集長やPAスポーツ通信のアジア支局長を務め、ワールドカップ(W杯)を6大会連続で取材した英国人記者のマイケル・チャーチ氏は、五輪世代のタレントの充実ぶりから、大会後にA代表の定位置を奪う可能性を指摘している。
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これからどうなってしまうのだろう。東京五輪が無事に開催され、閉会式を迎えた後、森保一監督はA代表の指揮に専念することになる。この才能に恵まれた選手たちのうち、どれだけの人数をA代表に連れて行くのか。そして“サムライブルー”に適応させるのか。五輪後の主役候補と期待できるタレントが多いチームだけに、日本代表監督にとっては嬉しい頭痛の種になるだろう。
久保は、またしても横暴とも呼べる圧巻のパフォーマンスでアタッキングサードでの影響力を見せつけた。ガーナはどの角度から見ても、日本代表の相手にはならない弱々しいパフォーマンスだった。守備陣は試練の時を迎えず、GK谷晃生(湘南ベルマーレ)は観衆に過ぎなかった。
3月のU-24アルゼンチン戦に続く強烈な印象を残した試合で、日本は五輪の対戦相手の監督にポゼッションとゴール前での容赦なさという印象を与えることに成功している。
久保、堂安、MF相馬勇紀(名古屋グランパス)のトリオは、かなりのポテンシャルを見せつけた。3人のアタッカーとFW上田綺世(鹿島アントラーズ)は、ハングリーさとプレッシングでガーナ守備陣のミスを何度も誘った。アフリカ人は自陣の危険なゾーンでボールを失うシーンが散見された。
攻撃陣のみならず、MF田中碧(川崎フロンターレ)と遠藤のコンビも大きな収穫となった。遠藤の経験と読みは才能溢れる川崎の若き才能を輝かせており、A代表の舞台でも楽しみなコンビになるはずだ。
マイケル・チャーチ
アジアサッカーを幅広くカバーし、25年以上ジャーナリストとして活動する英国人ジャーナリスト。アジアサッカー連盟の機関紙「フットボール・アジア」の編集長やPAスポーツ通信のアジア支局長を務め、ワールドカップ6大会連続で取材。日本代表や日本サッカー界の動向も長年追っている。現在はコラムニストとしても執筆。