「必ず次につながる」 震災から1カ月、止まっていた時計の針が動き出した、熊本の今季2度目の開幕戦
「Jリーグ最大のサポーター」も応援に駆け付けた
この日の試合が、いかに特別なものであったかを示すかのように、試合終了後Jリーグタイトルパートナーである明治安田生命保険相互会社の根岸秋男社長とJリーグの村井満チェアマンが共同で取材対応に応じた。それによると、この日の特別な試合に訪れた明治安田生命の従業員は何と1000名にのぼるという。
「Jリーグ最大のサポーター」を謳い、Jリーグの全53クラブとも個別にスポンサー契約を結ぶ明治安田生命は、いつも通りホームのジェフ千葉を応援に、千葉支社の従業員を中心に約500人が応援に駆け付けた。残りの500人は、本社の従業員が中心となって、自発的にアウェーの熊本のサポーター席の上の席で声を枯らして応援を続けたのだ。その光景を見た根岸社長の言葉は、まぎれもなく本音だろう。
「あらためてサッカーは良いなと感じました。(ロアッソ熊本の)選手はコンディション的にきつかったと思うんですけど最後まで走り抜いてくれました。手を抜かず一生懸命走っている姿、感動しました」
ようやく再開できたこの日の試合の感想を聞かれた村井チェアマンの言葉も率直だった。
「1カ月のブランクがあって試合の中断がありましたが、結果的には、今日敗れたんですけど、倒れても起き上がってね。それで足がつっても走って、前へ前へボールを追い掛けている姿を見ることができました。おそらく熊本で被災された多くの方々にも勇気を与えてくれいると思います。ひたむきに頑張る姿にこちらの胸が熱くなる思いです」