ベテラン吉田麻也が語ったU-24代表”OA招集”への葛藤 「僕の中での五輪は終わった」

OA枠の1人として招集されている32歳のDF吉田麻也【写真:高橋 学】
OA枠の1人として招集されている32歳のDF吉田麻也【写真:高橋 学】

U-24代表の“オーバーエイジ招集”決断までの心境を告白

 U-24日本代表は4日、オンライン会見を実施した。オーバーエイジ(OA)枠の1人として招集されている32歳のDF吉田麻也は、A代表とのチャリティーマッチで出番はなかったものの、五輪への思いを改めて語った。

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 U-24代表は、5日に開催されるU-24ガーナ代表戦に向けて調整していたものの、A代表のジャマイカ戦が中止となったことで”兄弟対決”が実現。吉田はOA枠の1人として出場が期待されていたが、最後まで出番はなかった。

 実際にピッチには立てなかったものの「個人的には1試合見ることができて、試合前からアプローチ、入り方、ロッカーの雰囲気も、得られるものは大きかった」と、チームを牽引する立場としての収穫を口にした。

 2012年のロンドン五輪へOAとして出場している吉田。今回の東京五輪世代のチームについては「ヨーロッパでやっている選手が当時より圧倒的に多く、A代表でやっている選手もいるから雰囲気は良いし、選考も兼ねているので緊張感がある。頼もしい」と指摘する。

 また、A代表との試合で0-3の完敗を喫しても「何よりも良かったのは、昨日の試合に皆が本気で悔しがっていること」と、さらなる高みを目指そうとする姿勢に好感が持てたことも明かし、向上心に満ちた若手への期待を寄せた。

 チームの強化へ向けて、幾多の修羅場を潜り抜けてきた吉田の経験値は大きな財産ともなるが、東京五輪へOAとして参加することには当初、葛藤があったという。

「自分のキャリアをどう軌道に乗せるかでいっぱいいっぱいだった。余裕がないんですよね(笑)。このプレシーズンを逃してスタートに遅れると10試合くらい平気で出られない。生き残るのが大変。そこまでして若い選手の枠を取る必要があるのか。違うんじゃないか。僕の中での五輪は終わったと思っていた」

 欧州の激しいシーズン戦い抜くには、それ相応の準備が要る。プレシーズンで不在となれば、その後のレギュラー争いで不利を被るリスクが伴うが、そんな吉田の思いを突き動かしたのが日本サッカーへの思いだった。

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