「チーム一丸、熊本一丸となって戦う」 元日本代表FW巻がJ2熊本の震災後初の公式戦で男泣き
「ホントは……勝ちたいですよね」
後半途中からはキャプテンマークを巻き、2失点目のミスに絡んだGK畑実のもとに駆け寄って必死に励ました。同39分のFWアンデルソンとの交代時には、スタジアム全体から大きな拍手が巻き起こった。熊本は試合には0-2で敗戦してしまったものの、チームも巻自身も、心を打つプレーを古巣相手にぶつけきった。
「ホントは……勝ちたいですよね」
試合後のフラッシュインタビューでこう切り出した巻は、堪えきれずに男泣きした。
「ホントはね、少しでも、勝ち点1でも、熊本の皆さんに届けたかったですし、いろんな想いを……伝えたかったんですけど、なかなか伝えることができませんでした。復興もそうですし、僕らもこれで終わりじゃなくて、ここからが大事だと思っています。力強く一歩を踏み出せるように、チーム一丸、熊本一丸となって戦いたいと思います」
被災地にどうしても勝利を届けたかったが執念は実らず、言葉を詰まらせながらも気丈に話した。地元・熊本を愛する男の言葉は、被災地にもきっと届いたはずだ。
【了】
サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images
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