「改めて上手い」と称えた選手は? 日本代表「ミャンマー戦出場16人」を金田喜稔が採点

ビルドアップ時の機転を利かせる板倉のプレーを評価

<DF>
■長友佑都(マルセイユ)=★★★★

 34歳となった今もなお、タッチライン際をアグレッシブに上下動してクロスを供給。衰えを見せないプレーには「5」をあげてもいいくらいだ。相手との実力差があったとはいえ、クロス精度がここにきて高まっているのは頼もしい限り。大迫がヘディングで決めた前半22分のシーンでは、ゴールラインを割りそうなボールを全速力で追い、しっかりと折り返している。長友の代わりを任せられる選手は誰なのかと、改めて考えさせられるほどのハイレベルなパフォーマンスだった。

■板倉 滉(フローニンゲン)=★★★★

 相手との実力差があったとはいえ、吉田とのセンターバックコンビには全く問題がなかった。特筆すべきはビルドアップ時の判断力。後半34分、相手が5バック気味の布陣となり日本が少し攻めあぐねていた時間帯に、板倉がドリブルで持ち上がってファウルをもらった。相手が引いてできたスペースを見逃さず、パスではなく、咄嗟にドリブルを選択できるのはボランチをやっているからこその機転なのか、オランダで試合に出続けているからこそ磨かれた感性なのか。セットプレーで強さを見せて1ゴールを決めたことを含めて、非常に魅力的な選手だ。

■吉田麻也(サンプドリア/→ハーフタイムOUT)=★★★★

 前半のみのプレーだったが、板倉との連係もスムーズで守備でも危険なシーンはなかった。前半8分には最終ラインから鎌田へ縦パスを送り、南野の先制ゴールの起点に。チーム全体を引き締めながら、10-0の大勝劇を導いた。

■酒井宏樹(マルセイユ→未定/→ハーフタイムOUT)=★★★★

 相手を押し込む時間帯が長く、高い位置にポジションを取りながら攻撃参加。前半30分に遠藤とのワンツーから抜け出し、ペナルティーエリア内でマーカーの一歩前に出てPKを獲得したシーンは、酒井の真骨頂と言えるプレーだった。

<GK>
■川島永嗣(ストラスブール)=★★★★

 権田が未招集のなか、19年11月のベネズエラ戦以来となる出場。被シュート1本とピンチらしいピンチがなく、無難にプレーをして90分を終えた。

金田喜稔

かねだ・のぶとし/1958年生まれ、広島県出身。現役時代は天才ドリブラーとして知られ、中央大学在籍時の77年6月の韓国戦で日本代表にデビューし初ゴールも記録。「19歳119日」で決めたこのゴールは、今も国際Aマッチでの歴代最年少得点として破られていない。日産自動車(現・横浜FM)の黄金期を支え、91年に現役を引退。Jリーグ開幕以降は解説者として活躍。玄人好みの技術論に定評がある。

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