「改めて上手い」と称えた選手は? 日本代表「ミャンマー戦出場16人」を金田喜稔が採点
10-0の圧勝でW杯アジア最終予選に進出、5ゴールの大迫は「点を取ることに集中していた」
日本代表は28日、カタール・ワールドカップ(W杯)アジア2次予選のミャンマー戦に臨み、3月のモンゴル戦(14-0)に続くゴールラッシュを見せて10-0と圧勝した。これでW杯予選開幕から6戦全勝とした森保一監督率いるチームは、2試合を残して最終予選進出を決めている。
実力差のある相手だったとはいえ、貫録を見せつけた日本の戦いぶりを識者はどのように見たのか。「天才ドリブラー」として1970年代から80年代にかけて活躍し、解説者として長年にわたって日本代表を追い続ける金田喜稔氏が、この試合に出場した全16選手を5段階(5つ星が最高、1つ星が最低)で評価。2試合連続のハットトリックとなる5ゴールを奪ったFW大迫勇也とMF南野拓実に、5点満点の最高評価を与えた。
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<FW>
■大迫勇也(ブレーメン)=★★★★★
ミャンマーが相手だったとはいえ、90分間ゴールを取ることに集中してしっかりと5得点を奪ったことは高く評価したい。自分が欲しいところ、ここで勝負したいという意思を周囲に示していたと感じる。これまでは巧みなポストプレーで、南野など周囲の選手を生かす役割が目立つことが多かったが、モンゴル、ミャンマーとの2試合では割り切って、ストライカーとして点を取ることに集中したポジショニングを取っていた。よりレベルの高いジャマイカ、セルビアとの2試合で、この流れを継続できるのか注目したい。
<MF>
■南野拓実(サウサンプトン)=★★★★★
いつもどおりチームにスイッチを入れた前半8分の先制点は、シュートに持っていくボールコントロール、ターンを含めて本当に素晴らしかった。相手の最終ラインを崩した鎌田とのワンツーも、足下に強いボールが来るという2人の完全な共通理解があってこその連係。強いボールが来ても足下でコントロールし直し、フィニッシュの瞬間も右足でボールをコントロールして左足のアウトで内側に入れ、足を踏み変えながら最終的に右足のアウトサイドでシュートしている。これはゴール前で緊張していたら絶対にできない足の運び。この動きが試合中にできているというのは、現在の南野のコンディションの良さを表している。日本代表で引き続き存在感を発揮してほしいし、改めて上手いなと感じる技術の高さを見せてくれた。
金田喜稔
かねだ・のぶとし/1958年生まれ、広島県出身。現役時代は天才ドリブラーとして知られ、中央大学在籍時の77年6月の韓国戦で日本代表にデビューし初ゴールも記録。「19歳119日」で決めたこのゴールは、今も国際Aマッチでの歴代最年少得点として破られていない。日産自動車(現・横浜FM)の黄金期を支え、91年に現役を引退。Jリーグ開幕以降は解説者として活躍。玄人好みの技術論に定評がある。