強硬な名門3クラブ、近づく“最悪の結末” 負債額は数百億円…UEFAに徹底抗戦の背景
最大201億円の分配金しかないCLに逆戻りしても焼け石に水?
表面的には“銀河系軍団”、またはリオネル・メッシ、ロナウドの現役最高選手を抱えて、欧州ビッグクラブの中でもさらにエレガントでリッチなイメージをまとった3クラブだが、その実情は“寒い”の一言のようだ。巨額の負債を抱え、クラブの資産価値も目減りした今、最大でも1億5000万ユーロ(約201億円)の分配金しか期待できないCLへ逆戻りしたところで、焼け石に水なのだろう。
それならば3クラブにとって退路はない。引けば負債返済のため、大幅な予算縮小を迫られたクラブ経営を強いられることになる。さもなければ最悪、破産が待っている。
確かに現状から、欧州SLを再発足させる道はあまりにも険しく厳しい。しかしこのチキンレースを通じてUEFAとギリギリの駆け引きを行い、負債を解消しながら、今後もこれまで同様、欧州最大のビッグクラブとしての面子が保てるような収入が約束されない限り、レアル、バルサ、ユーベの3クラブがハンドルを切るつもりはなさそうだ。
UEFA、そして3つの超ビッグクラブがともに生き残りをかけたチキンレースは、今後も全く予断を許さない展開になりそうである。
(森 昌利 / Masatoshi Mori)
森 昌利
もり・まさとし/1962年生まれ、福岡県出身。84年からフリーランスのライターとして活動し93年に渡英。当地で英国人女性と結婚後、定住した。ロンドン市内の出版社勤務を経て、98年から再びフリーランスに。01年、FW西澤明訓のボルトン加入をきっかけに報知新聞の英国通信員となり、プレミアリーグの取材を本格的に開始。英国人の視点を意識しながら、“サッカーの母国”イングランドの現状や魅力を日本に伝えている。