「どんな利益をもたらすのか」 “森保采配”に英記者が疑問符、“ベスト布陣”に見解
アジアの格下国との2試合で24点差勝利 「ピーナッツを鉄槌で潰すようなもの」
森保一監督率いる日本代表(FIFAランク28位)は28日、カタール・ワールドカップ(W杯)アジア2次予選でミャンマーと対戦。勝てばアジア最終予選進出が決まるなか、14-0と大勝したモンゴル戦に続くゴールラッシュを見せ、10-0で快勝した。
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格下のミャンマーに圧倒的な実力差を見せた一戦で、かつてアジアサッカー連盟の機関紙「フットボール・アジア」の編集長やPAスポーツ通信のアジア支局長を務め、ワールドカップ(W杯)を6大会連続で取材した英国人記者のマイケル・チャーチ氏が弱小国相手に2戦連続でベストメンバーで臨んだ森保一監督の起用法に「ピーナッツを潰すのに巨大な鉄槌を使うようなもの」と疑問を呈している。
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ミャンマー戦のメンバー発表の瞬間に、森保監督にはリスクを冒すつもりが全くないことは明白だった。ワールドカップ予選で次のラウンド進出を決定することに重きを置いたということだ。
しかし、ミャンマー戦での圧倒的な10-0勝利と、過去2試合合計の一方的な24点差勝利を見るにつけ、ここまでのタレントを投じることで、この監督はピーナッツを潰すためにわざわざ巨大な鉄槌を使っているように思えた。
ここ1年間半の新型コロナウイルス感染の状況を鑑みれば、もっと厳しい相手と対戦する最終予選を前に、主力を公式戦の場で慣らしておきたいという監督の意向も理解できる。
それは正しいスタンスでもあるが、戦力差の顕著なアジアの弱小チームを殲滅(せんめつ)することに、監督と選手にどんな利益をもたらすのだろうか。若手や2番手グループに経験を積ませ、出場時間を与えるチャンスにすべき時でもあっただろう。
試合に話を進めよう。大迫勇也のゴール前における印象的な働きとともに、日本は研ぎ澄まされていた。ブレーメンのストライカーは前線で起点となり、全ての機能性を高めていた。ミャンマー相手に5ゴールの洗礼を与えた。
南野拓実も鎌田大地との連携を高めてきた。伊東純也はベルギーリーグでの充実ぶりを引き続き示し、右サイドの脅威となった。ゴールだけが足りなかったが、ここで森保監督には有り余るほどの選択肢が存在する。
マイケル・チャーチ
アジアサッカーを幅広くカバーし、25年以上ジャーナリストとして活動する英国人ジャーナリスト。アジアサッカー連盟の機関紙「フットボール・アジア」の編集長やPAスポーツ通信のアジア支局長を務め、ワールドカップ6大会連続で取材。日本代表や日本サッカー界の動向も長年追っている。現在はコラムニストとしても執筆。