新潟を率いるスペイン人監督が説く、リーガで日本人選手が活躍するための二つの改善点
実力をよく知る久保を引き合いに出し、リーガで活躍することの難しさを説明
この2年間、新潟で指揮を執り、J2だけでなくJ1の試合もチェックするなど、日本人選手を深く知るアルベルト監督だけに、例えば旋風を巻き起こしている川崎フロンターレMF三笘薫らが海外リーグで活躍する可能性についての見解を聞きたいところだが、「発言は控えさせていただきます」とし、その理由をこのように説明する。
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「明確にある特定の選手の名前を挙げるのであれば、もっと深くその選手のことを分析しなければいけないし、そうしなければ失礼だと思います。そういう意味では、ヨーロッパで活躍できそうな将来性のある選手を分析できているかと言うとそうではないので」
一方で、アルベルト監督はある選手の名前を引き合いに出し、リーガ・エスパニョーラで活躍することがいかにハードルの高いミッションかを説明する。自らがそのポテンシャルを認め、バルセロナの下部組織入団を許可した久保だ。
「例えば、久保建英の名前を挙げることは可能です。なぜなら、深く知っているからです。彼がJ1で活躍し始めたのは、17歳だったと思います。良いプレーをしていました。そして19歳の今、ヨーロッパの高いレベルで戦うことに正直苦しんでいるかと思います。それはなぜか。ヨーロッパには世界中の最も素晴らしい選手たちが揃っているからです。もちろん、久保建英も今後成長していくでしょう。小学・中学年代で彼は5年ほど、バルセロナのアカデミーでプレーしていました。その経験はプラスに働いているはずです。才能豊かな彼でさえ、ヨーロッパのトップレベルで活躍することに苦労していることを見れば、あのカテゴリーで結果を残すのがどれだけ難しいかは容易に想像できるかと思います」
アルベルト監督が指摘する“改善点”をクリアし、リーガ・エスパニョーラで活躍する日本人選手が現れることを期待したいところだ。
※取材はビデオ会議アプリ「Zoom」を使用して実施。
[PROFILE]
アルベルト・プッチ・オルトネダ/1968年4月15日生まれ。スペイン・カンブリス出身。名門バルセロナで育成部門のトップとして長年在籍し、クラブの根幹を築き上げた人物の1人として知られる。選手個々の能力を見極める分析力に長け、モチベーターとしてのアプローチも絶妙。米MLSニューヨーク・シティのヘッドコーチを経て、2020年シーズンよりJ2のアルビレックス新潟で指揮を執る。
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(FOOTBALL ZONE編集部・小田智史 / Tomofumi Oda)