「歴史を作る歩みを止めない」 スペイン人女性監督、イニエスタとの対戦に母国熱視線
女性指揮官マルティネス監督が天皇杯2回戦で同胞イニエスタ擁する神戸と対戦へ
JFLに所属する鈴鹿ポイントゲッターズのミラグロス・マルティネス監督は、23日に行われた天皇杯1回戦・FC刈谷戦(2-1)で歴史的勝利を収めて話題を呼んだ。2回戦では元スペイン代表MFアンドレス・イニエスタを擁するヴィッセル神戸との対戦が決まり、故郷であるスペイン・クエンカ県のメディアも「特別な瞬間」と報じている。
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スペイン国籍のマルティネス監督は、2019年1月に鈴鹿ポイントゲッターズの指揮官へ就任し、日本の男子トップチームの監督を務める初の女性監督として話題になった。1年目で16チーム中12位の成績を残してJFL残留を果たすと、2年目の昨季は6勝3分6敗の成績で5位に導き、契約を更新。今季はここまで9試合を消化し、5位(4勝2分3敗)につけている。
そんななか、23日に同じJFLに所属するFC刈谷との天皇杯1回戦に臨むと、前半早々にオウンゴールで先制を許したものの、前半アディショナルタイムにMF田村翔太のゴールで同点。さらに後半6分、FW遠藤純輝が勝ち越しゴールを奪い、2-1の逆転勝ちを収めた。
マルティネス監督自身、天皇杯での初勝利を挙げるとともに、同大会における女性監督の初勝利という歴史的なものともなった。さらに注目すべきは、2回戦での対戦相手だ。6月16日に行われる一戦では、同胞のイニエスタやMFセルジ・サンペールを擁する神戸と相まみえる。
マルティネス監督の故郷であるクエンカ県のニュースを取り扱うスペインメディア「Las Noticias de Cuenca」は、「両者が試合で相まみえるのは初めてだが、日本でアンバサダー的な役割を担っており、お互いをよく知っている。クエンカ県にとっても、日本フットボール界にサプライズを与える特別なイベントだ」と言及。また、スペイン専門誌「Life! Cuenca」も、2人が同じカスティーリャ・ラ・マンチャ州出身である共通点に着目している。
「鈴鹿ポイントゲッターズは、海を越えてサッカーの歴史を作り続けているクエンカ県出身のミラグロス・マルティネス監督によって、天皇杯2回戦でイニエスタ擁するヴィッセル神戸と対戦する。日本の男子チームで初めて女性監督となったミラ・マルティネスは、クエンカ県にルーツを持っている。鈴鹿ポイントゲッターズを率いて3年目。サッカーの世界で挑戦し続け、歴史を作る歩みを止めない。5月23日に天皇杯1回戦で勝利し、イニエスタと対戦する立場になった。我々の土地(カスティーリャ・ラ・マンチャ州)から2人のサッカー人が集結する特別な瞬間だ」
スペインの“英雄”と女性指揮官の歴史的な対戦は、当日も注目を集めるのは間違いなさそうだ。
(FOOTBALL ZONE編集部)