東京五輪行き、“最終オーディション”の行方 OA枠3人が決定、酒井招集に見える狙い
前線のメンバー争いは久保建英ら周囲との相性が決め手か
3バックを視野に入れるなら、左の2列目はウイングバックを兼ねる力を持ったアタッカーの優先順位が高い。右にも対応する相馬は有力だが、三笘薫と遠藤渓太はどうか。3バックにおける使い道を含め、テストすべきポイントがいくつもある。例外があるとすれば、4バックのウイングとして出色の働きを演じた場合か。
FW大迫勇也の招集を見送った前線の争いは各々の実力もさることながら、久保建英ら周囲との相性、いわゆるケミストリー(化学反応)が決め手になるかもしれない。その良し悪しはおそらく、結果(得点)にも直結する。
多様な人選を求めるならば、リアル9(点取り屋)の上田綺世と林大地、ウイングも兼ねる前田大然と田川亮介の争いになるが、すべては最終テストの出来次第だろう。ともあれ、後ろのポジションにOA枠を割いたことで、彼らの控えをミニマムに抑え、限られた枠を攻撃陣に回す余白が生まれた。
通常、交代策で人手が要るのは前線と2列目だ。しかも、本番は酷暑の中での戦いである。消耗が激しい両サイドを含め、攻撃陣の選択肢が多いに越したことはない。その意味でもOA枠の使い方には相応の理がありそうだ。もちろん、現時点では「捕らぬ狸の皮算用」に過ぎないが……。
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(北條 聡 / Satoshi Hojo)
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北條 聡
1968年生まれ。Jリーグ元年の93年にベースボールマガジン社に入社し『週刊サッカーマガジン』編集部に配属。日本代表担当として2002年日韓W杯などを取材した。04年から『ワールドサッカーマガジン』編集長、09年から『週刊サッカーマガジン』編集長を歴任。13年にフリーランスとなり、現在は様々な媒体で執筆している。