【月間表彰】「苦を感じたことはない」 福西崇史×前田大然対談…驚異的“スプリント力”の秘訣とは?

自身の持ち味であるスプリント数やゴールパフォーマンスについて語った【写真:©Y.F.M.】
自身の持ち味であるスプリント数やゴールパフォーマンスについて語った【写真:©Y.F.M.】

驚異のスプリント回数を記録も「基準が分からないんですよ(笑)」

福西 前田選手のプレーを語るうえで、スプリント回数の多さも見逃せません。ランキングのトップ10に前田選手は7回も入っています(5月13日時点)。これもアグレッシブなポイントだと思いますが、この回数の多さは意識しているわけではないのですか?

前田 意識はしていないですね。試合が終わったら「いつも上にいるな」という感覚でした。(C大阪戦で62回を記録したことも)自分のなかで、そんなに驚きはありませんでした。周りが驚いているだけで、僕自身はそんなに驚いていないですね。というのも、基準が分からないんですよ(笑)。

福西 そうか。スプリントは時速24キロ以上で1秒以上を走らないとカウントされません。でも、試合中に「24キロ以上で走ったから1回だ」とは思わないですよね(笑)。

前田 はい。それは分からないので(笑)。ただ、セレッソ戦の後は、今日は走ったなという感覚はありましたね。

福西 攻守に貢献できる前田選手には、代表入りを期待する声も挙がっています。前田選手はU-24日本代表として東京五輪に出場できる年齢でもありますが、そこはどういう考えでやっていますか?

前田 正直、あまりオリンピックのことは考えていません。まずはしっかりチームで結果を残すことをやっているので、チームで結果を残したうえで、オリンピックがあると思っています。まずはしっかりチームで結果を残すことを大事にしています。

福西 A代表も同じようなスタンスですか?

前田 はい。チームで結果を残せば、おのずとついてくるかなと思っています。しっかりと目の前の試合、練習をやっていこうと思っています。マリノスで結果を残し続ければ、オリンピックも、A代表も、近づいてくると思っているので、まずはチームでということを大事にしています。

福西 前田選手は普段、サッカーの試合は見るのですか?

前田 あんまりサッカーは見ませんね。対戦相手の分析はしますが、そこまでしっかり見ないんです。海外サッカーもハイライトでちょこっと見るくらい。

福西 僕も現役時代はあまり見ていなかったです。時代もあって、地元、愛媛県の新居浜市ではテレビ放送もなかったので(笑)。今は見られる環境もありますし、見ることも多いですけどね。ということは、前田選手のプレーは本能的な感じですか?

前田 そうですね。昔から、本能的な感じですね。昔は本能だけでしたが、J1で戦うのは本能だけでは無理なので。J1の選手は予測がしっかりしていて、「ここに来るだろう」と先読みされるというか。J2の時はスピードだけで行けたところでも、J1では先が読まれてコースを消されているとか、頭を使ってくる印象があるので、本能プラスちょっと頭を使いながらプレーしていますね。

福西 サッカーは見ないということですが、趣味は?

前田 娘がいるので、娘とひたすら遊んでいます。

福西 心と体も超良い状況なんですね。

前田 はい。ゴールパフォーマンスは娘に向けてやっています。ただ、今回、選んでいただいた札幌戦の時のゴールパフォーマンスは失敗ですね。きちんとできていませんでした(苦笑)。

福西 今後、娘さんのためにも、もっとゴールパフォーマンスを考えないといけないですね。

前田 いっぱいストックはあるんですよ! ただゴールを決めないと出せないので、いっぱいゴールを決めて披露していきたいと思います。

福西 楽しみにしています! 今後、相手からのマークもさらに厳しくなってくると思いますが、怪我に気を付けて頑張ってもらえたらと思います。本日はありがとうございました。

前田 ありがとうございました!

[プロフィール]
福西崇史(ふくにし・たかし)/1976年9月1日生まれ、愛媛県出身。95年にFWとしてジュビロ磐田に加入すると、プロ入り後にボランチへコンバートされ黄金時代を迎えたチームの中盤を支えた。J1通算349試合62得点の成績を残し、Jリーグベストイレブンも4度受賞。日本代表としても国際Aマッチ64試合7得点を記録し、2002年日韓大会、06年ドイツ大会とワールドカップに2度出場した。04年アジアカップでは優勝を経験している。

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