前代未聞の珍事 “90度回転したピッチ”に札幌DFが感想「すごい違和感はあったけど…」
機材トラブルでピッチの移動が完了せず、「90度反時計回りに回転した位置での開催」
5月19日に行われたルヴァンカップ・グループステージ第6節の北海道コンサドーレ札幌対鹿島アントラーズ戦(0-0)は、機材トラブルの影響により、札幌ドームのホヴァリングサッカーステージの移動が完了せず、ピッチが通常とは異なる角度で開催された。選手入場の導線も違うなど、前代未聞の事態となったなか、札幌DFキム・ミンテは「違和感はあったけど、僕はこっちのほうが好きかもしれない」と笑顔で語った。
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札幌のホームスタジアムである札幌ドームは、野球用人工芝グラウンドとサッカー用天然芝グラウンドを併用しており、「ホヴァリングシステム」によってサッカー用天然芝グラウンドを移動させている。プロ野球の北海道日本ハムファイターズも本拠地として使用しており、16日には福岡ソフトバンクホークスとの試合が行われていた。
札幌の発表によれば、19日のルヴァンカップ鹿島戦に向けて天然芝グラウンドを移動させるも、機械トラブルの影響によりホヴァリングサッカーステージの移動が完了しなかったという。そのため、この日の試合は「通常のピッチ位置から90度反時計回りに回転した位置での開催」になると発表。また試合のライブ中継に関しても、「ピッチ位置の変更に伴い、実況・解説者席がゴール裏に位置するため、普段と一味違った実況・解説となる場合があります」としていた。
この角度でサッカーの試合が開催されるのは初めてで、選手入場も普段とは導線が異なった。グループステージ1位鹿島、2位札幌の試合はスコアレスドローに終わったなか、左足首の怪我から約1カ月ぶりに戦列復帰した札幌DFキム・ミンテは、試合後のオンライン会見で角度の違うピッチについて感想を語った。
「すごい違和感はありましたけど、僕はこっちのほうが好きかもしれないです(笑)。今日が初めてで最後なので。席(の場所)も違うし、看板とかもいつもと位置が違った。でも、試合には集中できて大丈夫だった」
一方、札幌のペトロヴィッチ監督は、「ピッチの上に立ってしまえば、それほど大きな影響がなかった。唯一問題があったとすれば、私がベンチまで行くのに長い距離を歩かなければいけなかったということだけではないでしょうか(笑)」とユーモアを交えてコメント。鹿島の相馬直樹監督は、「今日はいろんな事情があって、サポーター席が我々のベンチの後ろだった。選手たちにとってはタフなゲームだったけど、力をもらったんじゃないかと思う」と、少なからず“好影響”があったとしている。
なお、札幌は「本来の観戦体験をご来場の皆様にお届けできない」ことを理由に、来場の有無にかかわらず後日全席払い戻しをすることを発表している。
(FOOTBALL ZONE編集部)