新潟のサッカーが魅力的なワケ アルベルト監督が浸透させた状況判断と自負する機能美
前半戦にフォーカスするのは「日々チームが成長すること」
そういった意味では、“新潟のメッシ”とも言われ、ドリブルを武器とする本間が、個人での打開に固執せず、味方へのパスを選択肢に加え、守備への切り替えでも存在感を示しているのも、状況判断が日々磨かれている賜物の代表例と言っていいだろう。
【注目】白熱するJリーグ、一部の試合を無料ライブ配信! 簡単登録ですぐ視聴できる「DAZN Freemium」はここから
2年目の今季、ここまでわずか1敗と好スタートを切ったが、アルベルト監督は「前半戦」を一つのスパンとし、目の前の試合に全力を尽くすだけだと話す。
「今シーズンのチームはプレシーズンの最初の練習試合、キックオフ直後から私が期待するプレーを明確に表現してくれていました。J2のすべてのチームを分析していますし、J1の試合も多くチェックしています。そのなかで、現在のアルビレックスはとても魅力的なサッカーを表現している数少ないチームの一つではないでしょうか。魅力的なサッカーをしていたとしても、当然試合に負けることはあるでしょう。J2よりも、J1のほうがより質の高い選手がいますから、J1のチームと戦えば負ける試合も多いと思います。ただ、1試合1試合の結果を抜きにしたうえで、チームスポーツとして我々が表現しているサッカーは、質が高く、魅力あるものだと私は感じています。(シーズンの)折り返し地点を回るまで、集中すべきポイントは目の前の試合を重要視し、日々チームが成長することです」
“アルベルト流”が浸透している新潟は、2018年以来となるJ1復帰に向けて、確かな成長を遂げている。
※取材はビデオ会議アプリ「Zoom」を使用して実施。
[PROFILE]
アルベルト・プッチ・オルトネダ/1968年4月15日生まれ。スペイン・カンブリス出身。名門バルセロナで育成部門のトップとして長年在籍し、クラブの根幹を築き上げた人物の1人として知られる。選手個々の能力を見極める分析力に長け、モチベーターとしてのアプローチも絶妙。米MLSニューヨーク・シティのヘッドコーチを経て、2020年シーズンよりJ2のアルビレックス新潟で指揮を執る。
(FOOTBALL ZONE編集部・小田智史 / Tomofumi Oda)