新潟のサッカーが魅力的なワケ アルベルト監督が浸透させた状況判断と自負する機能美
状況判断を含むトレーニングを徹底させ、選手の特徴・長所が発揮できるように促進
「アルビレックスとして、私が期待していたプレースタイルを過去に求めていなかったこと、在籍していた選手たちの多くが私の掲げるスタイルに慣れていなかった両面から、クラブに浸透させるには時間が必要でした。クラブとサポーターは昨シーズン、チームの成長を忍耐強く見守ってくれました。そういった忍耐力があるがゆえに、私は日本に来ることを望んだというのもあります。例えば南米やヨーロッパであれば、忍耐強くはないので、チームの成長を待ってくれることは非常に希少なケースでしょう。
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最終的には11位という残念な結果で終わってしまいましたが、(コロナ禍を含めて)サッカー以外の部分でも様々な出来事がマイナスに働きましたし、大きな怪我をして戦線離脱してしまった中心選手もいました。もしそういった要素がなければ、もう少し上位でシーズンを終えることができたかもしれません。いずれにせよ、昨シーズン、もしJ1昇格という目標を成し遂げていたとしても、私はチームのプレーには100%満足はしていなかったということです」
指導者としてアリゴ・サッキ(元ACミラン監督ほか)、ヨハン・クライフ(元バルセロナ監督ほか)、ジョゼップ・グアルディオラ(現マンチェスター・シティ監督)の3人から大きな影響を受けたというアルベルト監督。サッカーにおいて、最も重要視しているのは「状況判断」だという。
「正しい状況判断を下せる状態であれば、自分の特徴・長所を最大限に発揮できるようになります。では、適切な状況判断には何が必要か。周りの状況を見て、今ピッチの中で何が起こっているのか、しっかり理解することが不可欠です。ピッチでプレーする選手が、プレーヤーとしての視点に加え、監督しての視点を持ちながらプレーすることが適切な判断につながると思います。そのような観点からサッカーを捉えた場合、まだまだ日本のサッカーは改善の余地があります。多くの練習が、状況判断がない環境下での反復練習で行われているというポイントです。それでは、適切な状況判断のレベルアップにはつながらないため、そういった要素が含まれたトレーニングを重ねなければいけません」